機材の変遷① 40mm×40倍

忘れもしない小学生2年生のお年玉で買ったのが、この40mm×40倍の卓上望遠鏡でした。ちょうどその少し前の12月に皆既月食があって、それを眺めた影響もあって望遠鏡が欲しくなったのだと思います。この年の月食は、その直前にエル・チチョン火山の噴火があった影響で皆既の時の明るさが非常に暗く、真っ黒な皆既月食でした。
 さて、この望遠鏡はデパートのおもちゃ売り場に箱に収められてた卓上のやつで、値段は忘れもしない4000円でした。

売り場には他に5センチ50倍のが五千円であったのですが、宇宙っぽいイラストの大きいステッカーが貼られた赤い箱に入ったこの40倍のが気に入ったのでした。

しかしコイツはなかなか難物で、ファインダーも無い卓上三脚仕様なので、星の導入がほぼ絶望的でした。

見えたのは、月と金星くらいでありました。クレータもほとんど見えたという記憶がありません。

しかし、これを買ったことで色々な本を読むことになり、望遠鏡とはどんなものかが分かったのでした。母が買い与えてくれた「自分で工夫する ぼくらの天体観測」という本は、その枕詞の「自分で」「工夫する」というところが暗示になって、今の自分の礎を作ったものだと思っています。

すこし知恵をつけたその頃には、望遠鏡はファインダーが付いてた5センチのにしておけばよかったと、だいぶ悔やんだものです。

掲題の40mm望遠鏡はだいぶガッカリ感があるはずの望遠鏡だったのですが、星を見ることへの欲求はやまず、結局そのあとしばらくして眼鏡売り場に行ってはカタログを持ち帰る日々が続き、また天文ガイドを毎月買って紙背に徹すまで読み込むにつけ、ついに父に6センチの望遠鏡を買ってもらうのでした。

ちなみに朧げなる記憶によると、この頃の天文ガイドではちょうど「パロマ天文台の望遠鏡にCCDカメラというものが装着され稼働した」などという記事がありました。まだ殆どの人がCCDとは何かなんて知らなかった時代のことです。

ちなみにこの4センチ望遠鏡、どういうメーカーのどういうものなのか、今となっては分かりません。のちに分解したときに見たら、対物レンズは単レンズでした。
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