シーイングのせいとされてきた像の乱れのうち、結構な部分を除去できたぽいです。私の人生でこんなに惑星が良く見えた日はありません。必要投資額はわずか数百円ですが、これまでのいかなる高級機材導入よりも感動する結果になりました(いや私、あんまり高級機材買ってませんね, スミマセン)。
この対策は、惑星観察者はもちろん、観望されるだけの方も、ディープスカイの撮影をされる方にも、全ての望遠鏡に効果があるものと思われます。
■ 素晴らしい効果
この写真は、手持ちのSE200N鏡筒に対策を施し、ラムスデンアイピースで拡大撮影した木星です。昨夜は雲が発生したり通過したりするような不安定な状況で、特別シーイングが良かったとは思えないコンディションでした。
確かに上空の気流は荒れているのですが、新しい筒内気流対策のおかげで像そのものはクリアに見えていました。望遠鏡の分解能が2ランクくらい上がった感じです。
こうして、これまで観望会も含めて覗いてきたどんな望遠鏡の像よりも素晴らしいものを拝むことができたのでした。そして繰り返しになりますが、これはわずか数百円の対策で可能です。
■ 対策は "鏡筒のホイル包み"
理屈はともあれ結論だけ言ってしまうと、対策は温度慣らしが一通り終わったら銀色シートを巻いて鏡筒の放射冷却を防ぐ、というごくごく簡単なものです。(シートを巻いて30分くらい放置するとほぼ大気と筒の温度が落ち着くようです)
銀色シート自体は空気との温度順応を考えると薄手のものがよく(*)、防災グッズとして売られているペラペラのやつが多分最良のように思います。
この対策は、夜露の対策で計算をしていたら、これをしないで使っている望遠鏡の筒内気流がトンデモないことになっているという驚倒の計算結果を得てしまって、気が付いたものです。
しかも「上空の気流のせい」とされていたものの内、かなりの部分が筒内気流のせいだった疑いが濃厚です。確かに上流の気流で像は乱されているものの、それは今まで見ていたものとはだいぶ質の違う乱され方でした。
これまで多くの望遠鏡は、長らく実力を発揮する機会を与えられずにいたんじゃないのかと思います。少なくとも私の望遠鏡はそうでした。
*補足説明:銀色シートは空気との断熱のために巻くのではありません。放射冷却を防止するために巻きます。空気との熱交換はむしろ促進された方が温度順応し易くなりますので、放射冷却だけを防いで空気との熱交換を阻害しない薄手のシートが最良だという結論です。
一方で、本当に外気に順応させるのが最善なのかどうかは議論の残るところです。外気にどうやって順応していくのかという過程を考えると、それは筒内気流によって熱伝達が行われて順応していくわけですから、温度なんか外気と違っていても筒内が安定している方がいいという場面は十分にあり得ます。外気温がどんどん変化していくような場面では、「温度順応したほうがいい」という教義自体も含めて、今後の検討を要する部分です。
■ 本当に上空の気流のせいなの?
だいたいそもそも論として、「気流のせいで像が乱れる」という教義からして正確さに欠ける話ではあります。空気自体の動きは見えたりしませんし、像にも影響しません。例えば新幹線に乗って300km/hで走っていたって、外の景色がぼやけたりはしないわけです。一方で夏のアスファルトからは陽炎が見えますが、べつに地面付近で300km/h以上の剛速球な気流が吹き荒れているわけではありません。
像を乱している本質は、気体の密度変化です。温度変化によって空気の密度が変わると屈折率が変わるので、これは像に影響するわけです。上空の気流が影響がするのは温度が入り混じる層が動いているときで、必ずしも気流の速さとイコールではありません。
鏡筒の内部に生じる「筒内気流」も、もちろん新幹線より速いわけはありません。問題は筒の中で密度差が生じて動き回ることで、これが屈折率の変化をユラユラと動かして像を乱すことになります。
■ 驚愕の計算結果。
一般には、筒内気流は「温度順応できていない主鏡の熱によって立ち上る気流」が原因だとされています。そして、主鏡がなかなか温度順応しないのだとお悩みの声は各所で拝見しました。
でも、そんなにゆっくりしか放出しない熱のせいであんなに激しく像が乱される気流(密度差)が生じるのかというのは甚だ疑問だったんです。僅かな温度差では、きれいな層流しかできないというのが流体力学の理論です。
それで夜露対策の時の計算で、鏡筒の「筒」からの放射冷却が強烈な筒内気流を発生させている、という事実にたどり着いてしまったのです。
鏡筒からどのくらいの熱が奪われているのか、と、秘奥義によって計算してみると、うちの20cm反射鏡筒ではなんと200W(ワット)超にも達するという驚倒の数値だったのです。実際には地面からやってくる遠赤外線があるのでトータルではそこまで達しないにせよ、こんなの無視できません。そりゃまあ、こんなに放熱してたら夜露だってつきまくるわけです。
人間の体温が全身で100W程度ですから、鏡筒に抱きついて全力で温めるのよりずっと影響が大きいレベルです。あるいは鏡筒を下から200Wとかのハロゲンヒーターで温めながら覗いてるようなインパクトがある、ということです。これと比べたら、主鏡に残留している1℃未満の温度差なんて誤差みたいなものです。
鏡筒内では、天に向かう放射で冷えた鏡筒の上面で空気が冷却され、場合によっては湿気も失って激しく密度を変えながら鏡筒の下方に移動し、下方の空気は上に移動するという対流と陽炎を生じていたわけです。
なんとなく…「透明度の悪い日はシーイングが良い」的な生活の知恵も、ぢつは放射冷却が少なくて筒の中が落ち着いている、という話だったんじゃないかという気もしてきます。
■ 鏡筒の熱は大問題
筒内気流というと、温度順応できてない温かい物体が問題という先入観がありましたが、実は冷えている鏡筒こそ、そのままでは永久に温度順応などしない悪の枢軸だったのです。
望遠鏡で結像する光の多くが口径の外周部からやってくるという事実も、この問題を大きくしています。なんせ、口径の1/8の幅の薄い外周部分が全集光量の4割強を占める上、そこが分解能のカナメなのですから、鏡筒内面近傍の流動が影響甚大なのは想像に難くありません。20cmの望遠鏡なら、鏡の外周の幅2.5cmの部分が像を作る光量の半分弱なんです。
屈折望遠鏡でも当然この影響を受けています。たとえば6cmの屈折望遠鏡だと、僅か幅7.5mmの外周部から来る光が全体の半分弱です。で、そこは放射冷却でガンガン流動が発生している、と。
そして太い鏡筒の大口径反射では200Wどころでは済まない焼肉の鉄板みたいなエネルギーになるわけで、光路通過が往復2回もあるので影響甚大です。3回の光路通過があるカセグレン光学系も、更に影響大でしょう。
※訂正: 「口径の1/8の薄いエリアで全集光量の半分」と当初記載しておりましたが、不正確でしたので本文の表現を訂正しました。正確には全集光量の44%ほどになります。
---
さて、いずれにせよ鏡筒の放射冷却にまつわる事実が分かってしまった以上、観察/撮影時には前述のように鏡筒をホイル包み状態にしない選択肢はありません。
これから先、メタリックでピカピカな鏡筒な望遠鏡が主流になる日も、ないとは言い切れないなあ、と思ったのでした。(まさかとは思うけど、昔のテレビューの鏡筒が金ピカだったのはこのため…じゃないよな??)
皆様が、眼視や写真で良像を得られる平和な日々が訪れることを、心よりお祈り申し上げております。
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この対策は、惑星観察者はもちろん、観望されるだけの方も、ディープスカイの撮影をされる方にも、全ての望遠鏡に効果があるものと思われます。
ガリレオ、ケプラー、ニュートンの時代から既に400年前後が経過していますが、長年にわたって見過ごされてきた事実への超ローテク対策が、私のような底辺アマチュアにも美しい天体像をもたらしてくれることに感謝せねばなりません。
と、同時に、どうやら、世の多くの望遠鏡がロクでもない劣悪な状態で使われていた疑いも浮上してきました。ミューロンだろうがツアイスだろうが、その性能を存分に発揮する機会が奪われていた疑いも濃厚です。既に万全の筒内気流対策で良像を得ておられるベテランの方にとっては改善しろが小さいかもしれませんが、一考の余地はあるのではないかと思います。眼視ではもっと断然クリアに美しく見えていました 写真がヘタクソですみません(汗)、惑星写真は2回目なのでご容赦を… 20cm/F5反射, 拡大撮影SR4mm, EOS60D, ISO6400, 約1800枚スタック 2019.05.18 01:15頃 |
■ 素晴らしい効果
この写真は、手持ちのSE200N鏡筒に対策を施し、ラムスデンアイピースで拡大撮影した木星です。昨夜は雲が発生したり通過したりするような不安定な状況で、特別シーイングが良かったとは思えないコンディションでした。
土星も撮ってみました やはり眼視の方が断然よく見えました ヘタピーなピンボケ写真は駄目ですねトホホ |
眼視では、かつて経験したことのない恐ろしくクリアな像、つまりベテランの方が撮る高精細な写真のような像が見えいて、まさに初めて月や土星を見た時のような感激があり、天候がイマイチの中、何時間にもわたって眺めてしまいました。
対策を施した望遠鏡で見る木星には、大赤班自体の濃淡や周りのウジュルジュルした複雑で微細な模様がハッキリと見え、衛星が落とした影が美しいコントラストで見えました。土星もシーイングが悪いはずの低空でしたが、カッシーニの空隙はもちろんクッキリと見えましたし、環と土星本体の立体感や縞模様の濃淡までハッキリ観察できたのです。こうして、これまで観望会も含めて覗いてきたどんな望遠鏡の像よりも素晴らしいものを拝むことができたのでした。そして繰り返しになりますが、これはわずか数百円の対策で可能です。
■ 対策は "鏡筒のホイル包み"
鏡筒のホイル包み(食べられません) |
銀色シート自体は空気との温度順応を考えると薄手のものがよく(*)、防災グッズとして売られているペラペラのやつが多分最良のように思います。
この対策は、夜露の対策で計算をしていたら、これをしないで使っている望遠鏡の筒内気流がトンデモないことになっているという驚倒の計算結果を得てしまって、気が付いたものです。
しかも「上空の気流のせい」とされていたものの内、かなりの部分が筒内気流のせいだった疑いが濃厚です。確かに上流の気流で像は乱されているものの、それは今まで見ていたものとはだいぶ質の違う乱され方でした。
これまで多くの望遠鏡は、長らく実力を発揮する機会を与えられずにいたんじゃないのかと思います。少なくとも私の望遠鏡はそうでした。
*補足説明:銀色シートは空気との断熱のために巻くのではありません。放射冷却を防止するために巻きます。空気との熱交換はむしろ促進された方が温度順応し易くなりますので、放射冷却だけを防いで空気との熱交換を阻害しない薄手のシートが最良だという結論です。
一方で、本当に外気に順応させるのが最善なのかどうかは議論の残るところです。外気にどうやって順応していくのかという過程を考えると、それは筒内気流によって熱伝達が行われて順応していくわけですから、温度なんか外気と違っていても筒内が安定している方がいいという場面は十分にあり得ます。外気温がどんどん変化していくような場面では、「温度順応したほうがいい」という教義自体も含めて、今後の検討を要する部分です。
■ 本当に上空の気流のせいなの?
日本では「ジェット気流によるとかいうシーイングのせいで良像は得にくい」とかなんとかいうのが入門書の教義です。もちろん、上空の気流が像を乱しているのは間違いないことなのですが、ベテランの方々のスゴい惑星写真を見ていると、あのくらいの解像度までは日本のシーイングでも解像できるということを示していて、その落差が何なのかは謎でした。自分の望遠鏡が悪いのかな?と、半ばあきらめの境地だったわけです。
そんな中で、何でもかんでもジェット気流のせいにするのは、ちょっと違うかもな?と、違和感は感じていました。今回の実験では、像の劣化のけっこうな部分が上空の気流ではなく筒内気流のせいだということが見えてきました。とにかく対策すると、ユラユラしてても像はクリアなんです。像を乱している本質は、気体の密度変化です。温度変化によって空気の密度が変わると屈折率が変わるので、これは像に影響するわけです。上空の気流が影響がするのは温度が入り混じる層が動いているときで、必ずしも気流の速さとイコールではありません。
鏡筒の内部に生じる「筒内気流」も、もちろん新幹線より速いわけはありません。問題は筒の中で密度差が生じて動き回ることで、これが屈折率の変化をユラユラと動かして像を乱すことになります。
■ 驚愕の計算結果。
一般には、筒内気流は「温度順応できていない主鏡の熱によって立ち上る気流」が原因だとされています。そして、主鏡がなかなか温度順応しないのだとお悩みの声は各所で拝見しました。
でも、そんなにゆっくりしか放出しない熱のせいであんなに激しく像が乱される気流(密度差)が生じるのかというのは甚だ疑問だったんです。僅かな温度差では、きれいな層流しかできないというのが流体力学の理論です。
それで夜露対策の時の計算で、鏡筒の「筒」からの放射冷却が強烈な筒内気流を発生させている、という事実にたどり着いてしまったのです。
鏡筒からどのくらいの熱が奪われているのか、と、秘奥義によって計算してみると、うちの20cm反射鏡筒ではなんと200W(ワット)超にも達するという驚倒の数値だったのです。実際には地面からやってくる遠赤外線があるのでトータルではそこまで達しないにせよ、こんなの無視できません。そりゃまあ、こんなに放熱してたら夜露だってつきまくるわけです。
人間の体温が全身で100W程度ですから、鏡筒に抱きついて全力で温めるのよりずっと影響が大きいレベルです。あるいは鏡筒を下から200Wとかのハロゲンヒーターで温めながら覗いてるようなインパクトがある、ということです。これと比べたら、主鏡に残留している1℃未満の温度差なんて誤差みたいなものです。
鏡筒内では、天に向かう放射で冷えた鏡筒の上面で空気が冷却され、場合によっては湿気も失って激しく密度を変えながら鏡筒の下方に移動し、下方の空気は上に移動するという対流と陽炎を生じていたわけです。
なんとなく…「透明度の悪い日はシーイングが良い」的な生活の知恵も、ぢつは放射冷却が少なくて筒の中が落ち着いている、という話だったんじゃないかという気もしてきます。
■ 鏡筒の熱は大問題
筒内気流というと、温度順応できてない温かい物体が問題という先入観がありましたが、実は冷えている鏡筒こそ、そのままでは永久に温度順応などしない悪の枢軸だったのです。
望遠鏡で結像する光の多くが口径の外周部からやってくるという事実も、この問題を大きくしています。なんせ、口径の1/8の幅の薄い外周部分が全集光量の4割強を占める上、そこが分解能のカナメなのですから、鏡筒内面近傍の流動が影響甚大なのは想像に難くありません。20cmの望遠鏡なら、鏡の外周の幅2.5cmの部分が像を作る光量の半分弱なんです。
屈折望遠鏡でも当然この影響を受けています。たとえば6cmの屈折望遠鏡だと、僅か幅7.5mmの外周部から来る光が全体の半分弱です。で、そこは放射冷却でガンガン流動が発生している、と。
そして太い鏡筒の大口径反射では200Wどころでは済まない焼肉の鉄板みたいなエネルギーになるわけで、光路通過が往復2回もあるので影響甚大です。3回の光路通過があるカセグレン光学系も、更に影響大でしょう。
※訂正: 「口径の1/8の薄いエリアで全集光量の半分」と当初記載しておりましたが、不正確でしたので本文の表現を訂正しました。正確には全集光量の44%ほどになります。
---
さて、いずれにせよ鏡筒の放射冷却にまつわる事実が分かってしまった以上、観察/撮影時には前述のように鏡筒をホイル包み状態にしない選択肢はありません。
これから先、メタリックでピカピカな鏡筒な望遠鏡が主流になる日も、ないとは言い切れないなあ、と思ったのでした。(まさかとは思うけど、昔のテレビューの鏡筒が金ピカだったのはこのため…じゃないよな??)
皆様が、眼視や写真で良像を得られる平和な日々が訪れることを、心よりお祈り申し上げております。
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コメント
従来の偏頗な入門書に対するアンチテーゼで、ガスねぇ!テヘッ!
Lambdaさんの既成概念に捉われない実践力!敬服で、ガス!
わくわくドキドキしながら読ませて頂きましたッ!あざ~す!
高校時代に月着陸船のたった0.3mmの壁、金色のシートで宇宙温度から
燃料を護っていたのが疑問でした!やっと夜眠れます!ははっはは!!
って、赤猫君に金色・銀色は躊躇しますので、反射鏡筒に使ぉおと、
しっかし、反射も赤と黒なんですよねぇ!?困ったこまった!
はははっはははっはははっは!!
王様が裸だったので、銀色の衣装を着せちゃいました。
じつは今回の発見(?)で、私もすごくドキドキしながら望遠鏡を覗いてました。
ガリレオとかもそうだったんだろうなー、と思います。
私、入門書が悪者みたいに書いちゃうときがあるんですけど、しょうがないんですよね。
むかしはハレー彗星が来たら毒ガスで人類全滅だとか思われてたんですから。
さて、銀色シート、短焦点ではあまり必要ないかもしれません(夜露以外)。そこはデザイン重視上等じゃないでしょうか!?
じつは効果があるのは…ガイド鏡だったりするかも、と妄想中です。
(シンチレーション的なものが減って精度UP、と)。
鏡筒をホイル包みにするだけで筒内気流をシャットアウトできてしまうという説、素晴らしくセンセーショナルで、魅力がありますね。速攻でシートをポチり、我が15cm白ドブに巻き付けてしまいましたが、生憎の梅雨でろくに観測ができません…。そうなると試行錯誤が捗るわけで、色々考えていたのですが、結果こういう結論になりました。まあ、わざわざ言うまでもないような気もしますが…。
そもそも、鏡筒素材に由来する筒内気流とは、筒の内壁が筒内の空気を温めるか冷やすかすることで生じるものである。であれば、鏡筒内壁での空気との熱のやり取りを遮断してやればその影響は無くすことができる。熱のやり取りには、空気との接触面での熱伝達と、放射による伝達があるが、放射によるやり取りを無視すれば、迷光処理の下地に断熱材を配置することでこれを断ち切ることができる。
もっとも、調べてみると鏡筒の内壁に断熱処理を施すというアイディアはネット上にも見られますし、ホイル包み作戦の方なら鏡筒の夜露対策も兼ねているわけなので、別に大した発見ではないのですが…。
ついでに言えば、今は主鏡温度を外気温より下げて乱流を防ぐ方法として、濡れタオルと携帯扇風機を使う方法も検討中です(笑)。こちらは、急冷により鏡面の精度に影響を与えないか、というところがポイントでしょうか。
それにしても、小型望遠鏡での眼視観測が学問的な意味を持たない現代でも、こうして宇宙を少しでも良く捉えようと工夫するのはとても楽しいですね。限られた資材、技術でどこまで宇宙の姿に迫れるか。こう考えてみると、エコノミー天文趣味とは、かつて歴代の天文学者がしてきた試行錯誤の日々を追体験しているといっても過言ではありませんね(過言か)
実際にお試しされた上での試行(思考?)錯誤、大変興味深いです。
古今、断熱の方法というのは数多くあるのですが,断熱とは何かということを考えたときの私の答えは「温度差をなくす」ことかなあ、と思っています(断熱境界条件というやつです)。
鏡筒を断熱するというのはよく見かけるのですが、その多くは鏡筒内での対流熱伝達を抑制という方向性かな、と思っています。
やり方はいくつかあるのですが、私の方法はそもそも論として「冷やさない(温度差を極小にする)」方向性で、ある種の完全断熱条件をめざしているかなあ、とか思っております。
まあ、「エコノミー天文趣味」は、個人的な思考実験を実践してみて、私のような面倒くさがりでもなるべく苦労せずに星を眺めるというところが主眼です。ただ、いろいろ考えていくうちに、私が信じ込んでいたことが随分真実からズレてるなあ、というところも楽しんでおります。
自分は以前50cmのトラス鏡筒にシュラウドを巻かずに使用していましたが、何となくその方がいいような気がして程度の理由でした。ひょっとしたら、このほうが筒内気流の影響を受けなくて済むのでしょうか。
あと、今は30cmのボイド管鏡筒を使っているのですが、これだと金属鏡筒に比べて放射冷却の影響も少なくて済みそうでしょうか?
ご指摘の通り、薄いシュラウドは筒内気流を作ります。
放射冷却でシュラウドが冷えて、それが内側にも伝わるからです。
50cm鏡筒ですと、kW級に近いかもしれません。
シュラウド無しですと風も通り抜けますが、そこに温度ムラがなければ像への影響はありません(体温は影響するかもしれないですね)。
ボイド管は熱伝導率が低めで厚さもありますから、金属鏡筒よりは影響が小さいと思います。筒の内面よりも外表面での伝熱の寄与が大きくなると思われます。筒が冷え切ってしまうと影響が出ると思いますが、金属筒より影響は小さそうです(一旦冷えるとしばらくは戻らないと思いますが)。
#SRの件でも議論ありがとうございました。 結局、単レンズを試してしまいました (笑
アメリカのスターパーティに行ったとき、ほとんどのトラス鏡筒にシュラウドが巻かれておらず、それのマネで「形から入った」自分ですが、ずっと巻かない方がよく見えるような気がしてました。裏付けが得られてうれしいです。
ボイド管鏡筒も自分のように数十分しか望遠鏡を出さない者の用途にはよさそうですね。
以前、5cmハーシェルニュートンを作ったときに、銀色のカッティングシートを塩ビ鏡筒に貼り付けたのですが、ボイド管にも同じ方法が有効かもしれません。
無遮蔽ハーシェルニュートンですね。
俄然興味が湧いてきます。
銀色カッティングシートの効果と相俟ってか、ものすごい鋭像ですね。火星の模様も分かるとは!
同様の効果は、ボイド管でも有効だと思います。
ただし、順応時間が余計にかかるようになってしまいますので、そこの兼ね合いは考えどころかもしれません。
※現在の私は銀色シートをマグネットで脱着しています。
順応時=野ざらし
観察時=シートで覆う
コメントありがとうございます!
筒の順応時間を考えると、温度にならしてから巻くのが最短だとは思うのですが、
近頃は面倒くさくなってしまって「巻きっぱなし」です。
結局、筒よりも鏡の順応時間の方がかかりますから、筒の順応時間はあまり考えなくてもいいのかもしれません。
ご指摘のように、放射伝熱だけを考えると絶対温度の4乗の差でエネルギーが放たれていきますので、熱源が無ければ冷える一方です。
ですが、地球には大気があり、また自転しているので、冷える一方にはなりません。
マクロなエネルギー収支としては、宇宙空間に逃げていくエネルギーと、昼間温められた物体からの入熱(放射)と、大気からの熱伝達とのバランスで温度が決まります。
夜間は放射熱ではトータルとして冷えますが、温度が下がると周囲の大気から温められます。けっきょく、放射熱=大気からの入熱(熱伝達)となる温度に収束するという理解です。
の放射冷却の出>大気からの輻射熱の入り なので、大気よりも鏡筒の温度が下がってしまい結露するという理解でよいでしょうか?
透明度の高い日は「透過率100%=放射率0%」に近づいて、鏡筒の温度が下がります。
透明度が低い日は大気の透過率が下がってその分放射率が上がるので、大気への放射冷却の影響が減ります。
鏡筒の温度が下がると、周囲の空気から熱を奪いますので、冷やされた空気の温度が露点以下になると結露します。
大気の反射率r、透過率t、吸収率aとすると、r+t+a=1で、この透明度の高い夜の場合は大気の透過率tを1に近いとみるわけですね。その時、大気からくる放射エネルギーはほぼ0になってしまうと。なるほど、納得いたしました。
しかし、これからは天体望遠鏡の表面はアルミメッキでギラギラに磨いた奴がはやるかもですね。♪
(夜露の記事は: https://m-lambda.blogspot.com/2019/05/blog-post_12.html)
私も、最近は観望用15cmにも「新色」の金巻きをやってみたりしております。
効能を考えると、銀ピカ鏡筒や銀巻きグッズが出現する日も…あるかもしれませんね(???)
長年シュミカセと付き合い、筒内気流に悩まされてきました。
たまたまこちらのブログにたどり着き衝撃を受けました。
目から鱗というより、半信半疑。
鏡筒の短いシュミカセ/マクカセで効果があるのかどうか・・・
ならば実験、ということで手近なところで加工のしやすいセレストロンC5(D127mm/f1250mm)とミードETX90(D90mm/f1350mm)に非常用のアルミ蒸着シートを巻き付けて見ました。
ふたご座のカストル、おとめ座のポリマ、うしかい座のプリケルマを見たのですが、通常カストル以外はかなり難物でC5やETX90で見ようという気が起きない対象です。
特にETX90だと普段はカストルでさえかなりチャカ付いた見え方になり、あまり二重星を狙いたい鏡筒だと思っていなかったのですが、ポリマがわりと楽に見えたのには驚きました。(大気が特別安定している状況ではなく、当地としては並みレベルの状況でした。)
またC5では通常とほどシンチレーションが小さくても200倍くらいまでが限度でしたが、今日は250倍でもしっかり芯のある星像が見えて気持ちよくポリマやプリケルマを分離してくれましたので、かなりしっかりと効果があるように感じました。
初見での感想ですので条件が変わると、見え方も変わるかも知れませんが、いろいろ試してみようと思います。
私のブログでも紹介させて頂ければと思いますのでご了承のほどお願いいたします。
ブログ、いつも参考にさせていただいております。
シュミカセは光路の往復が多いので、筒内気流の影響が大きいんじゃないかと思っておりました。
惑星観測者の方の中には、鏡筒の内側に断熱を施すという方もおられるようです。
私自身も半信半疑で始めた対策でしたが、今では鏡筒を完全に銀色ラッピングしてしまいました ^_^
ブログでのテストレポート、楽しみにしております。
こちらはリンク、引用いずれも無問題です。
ドーム壁面に逃げていく熱の分だけ良くなる感じかと思います。
(ドーム外装が銀ならそれが一番な対策かもです)
Lambdaさまは他にもいろいろ楽しそうなことをされているので今後とも参考にさせて頂きます。
さて銀色外層のドーム内の40cmには効果が弱いかもとのご指摘、少し残念です。
ただ経験的にドームを開けて最初の1~2分にもの凄く良いシーイングに出会うことが多いです。
単なる鏡筒内の温度順応なら(ドーム内はそれほど外気と温度差はないので)、ドーム解放前から鏡筒内で起きているわけで、1~2分経過してから筒内気流が激しくなるというのは放射冷却のせいかも知れないとLambdaさまの記事を見て得心したのです。
ドブソニアン使いの方も組み立てた最初の数分が一番安定して見えると言っていて「うちもダ~!」と盛り上がったことがあるのですが、これも同じく放射冷却の影響が始まるまでのサービスタイムなのかも知れないと思ったのです。
まあそんなわけで、あーだ、こーだ言うよりもいろいろ実験してみたいと思いますので今後ともよろしくお願いします。
意外と、開口部から外に逃げていく放射熱も無視できないのかもしれません。
(ドーム自体の外側は銀色でも内側は放射率が高いでしょうから、夏の直射日光がさせば中が暑くなるのと同じように、開口部からの放熱でドーム全体が冷やされるのかもしれません)
ドブソニアン使いの方のお話も興味深いです!
意外と、ミラーも半屋外みたいなところに置いた状態から組み立てスタートするケースが多いでしょうから、主鏡の温度順応よりも鏡筒が冷えていく方が問題なのだろうと想像します。
そしてぜひ、いろいろ実験されましたら体験をお伺いしたいです (ブログをチェックさせてください)!
こちらこそ、今後ともよろしくお願いします。
カセグレン系の鏡筒ですと、前にコメントいただいているスタパオーナーさんのところでも効果があったと伺っております。
観望会でも威力を発揮できることを祈っております!
(18cmマクカセというと、凄い機材を想像してしまうので、ますます楽しみですね)
※この方法は、よくよくネットを調べていくと、過去にも実践していた方がおられたようです。
海外のこちらの方は、45cmドブを銀巻きにして(筒内気流対策と明言されています)、凄い鋭像を撮影されています。
https://skyinspector.co.uk/fossil-light-450mm-dobsonian/
貴重な海外の情報を教えて頂きありがとうございます。確かに凄い鋭像満載ですね。見ているだけでドキドキしてしまいます。
それから我が愛機が凄いなんて滅相もありません。円高&消費税が8%になる前に駆け込みで購入したエコノミークラスの中華マクカセです。それと私事ですが、広く浅くをモットーに(興味の対象が色々あるので、一つのことを余り深堀していません。それ故に天文マニアの方々の参考には絶対なりません。)仕事の疲れを癒してくれる大好きなお酒の誘惑と格闘しながら、わが身の研鑽よりも天文の普及と星仲間との交流を楽しみに不定期で活動しています。
そんな訳で、今度の観望会の検証結果についてもあまり期待しないで下さいね。尚、その模様については、後日私のブログ⇒https://skymusic-fun.blog.ss-blog.jp/でも紹介したいので予めご了承願います。
Skywatcherのマクカセ、18cmはかなり良さそうですね。
私の反射望遠鏡も同じ中華製ですが、かなり良く見えるなあと思っております。
星仲間との交流、いいですね。
ネット・リアルの双方で、いろいろ交流を深められるのはいいなあ、と思っております。
過去の先人の足跡をたどっておられるのですね。
そして中村要鏡の15cm(!)。これを現代に蘇らせているのはすばらしいですね。
筒内気流の改善については、私が気付くより前にも、鏡筒の断熱が重要だということが惑星観測家の間では知られていたようです。「熱伝導・対流熱伝達」を防止する対策が多いようで、服部氏の方法もこれに属するものかと思います(当時はアルミシートなど無かったでしょうし)。
アルミシートでの放射伝熱の方法も、以前から行われているようですね。海外の観測家に、銀シート巻きを行っている事例があるようでした。
さて、FRP鏡筒にこの効果があるか、というと、そこは私も興味があります。
効果そのものは、おそらくあると思います。
ただ、FRPは金属鏡筒に比べると熱伝導率が低く、したがって鏡筒内面が冷えるのには時間がかかり、表面から外気で温められる部分もそれなりにあると想像されます(つまり金属鏡筒ほど元が酷くない)。
一方で、十分に温度順応された状態ではやはり鏡筒温度が下がることには変わりはなく、多かれ少なかれ、銀巻きの効果はあるのではないかというのが、私の脳内シミュレーションです。
FRPの長い鏡筒、由緒ある高精度な鏡、これらと筒内気流対策との組み合わせの結果は気になりますね。
私自身は、このところ冬だからと言って格別にシーイングが悪いかというと、必ずしもそうではないような気もしています。季節の変わり目はやはり不安定な感じがありますが、シリウスを見ている時に良いシーイングに巡り合うときもあり、筒内気流対策前よりもチャンスが増えたように感じております。
(透明度の高い冬場は放射冷却も著しく、盛大な筒内気流が発生しがちです)
そして、やはりFRP鏡筒にも効果がありましたか。
良像を得られたようで、なによりです。
冬場のシーイングは、確かに「悪い」ときが多いのは事実ですが、結構な部分を筒内気流が占めてるかもしれないな、と思っております。(シリウスBの見え方などで、思ったよりも良く見える日が多い)
そういえば申し忘れましたが、中村要氏による記述の中では「低倍率向け」とされるラムスデン式接眼鏡ですが、こちらは実際に試してみると高倍率こそが真骨頂で、おそらく長焦点ミラーとの組み合わせで驚愕の鋭像を見せてくれると思います。
こちらも新品が数百円ですので、ぜひお試しください。
中村要氏は月の観察を通じてレンズの良し悪しを見ていたようですので、ラムスデンは相当に悪印象だったのだと思います(中心以外は「とても」悪いので)。
ラムスデンは最高級のオルソと比較すると重星・微光星観測には向きませんが、惑星表面の模様の濃淡に対しては滅法強いです。
銘鏡+長焦点+筒内気流対策+ラムスデンは、比類なき惑星スペシャルになるものと想像します。
私も復帰組なのですが、高精度放物面鏡がとんでもない低価格で提供されるようになったのは、本当に驚きでした。SE200Nにはじつはさほどの期待感もなく、「ぼんやり星雲を眺められたらいいな」くらいな考えで買ったものでした。
Ninjaも、定評あるドブソニアンですよね。機動性と併せて使い道が広く、多くの天体を楽しめそうですね。
15cm中村要鏡と併せて、名機だと思います。
かつて、佐伯氏が火星の観測で閃光現象を発見するなどのかなり詳細な観察を20cmで行っておられました。我々が持つような小望遠鏡でも、本来の性能を引き出してやれば良く見える筈だと思う昨今です。
これからも、引き続き望遠鏡のポテンシャルを引き出しながら、夜空を楽しんでいきたいと思います。
なるほど、顕微鏡用接眼レンズをお使いでしたか。
顕微鏡のレンズも、天体望遠鏡用として(特に惑星観察向けに)大変高い性能がある、と他の方面からも伺っております(Paolini氏の書籍でもそう書かれていました)。
私の鏡筒は比較的短焦点なので、顕微鏡レンズでは倍率が不足しがちなので試せていませんが、バーローとの組み合わせでも良い結果が得られそうですね。
ニコンのアイピース+長焦点であれば相当な高パフォーマンスだと思います。
価格も高くなく良ブランドのものが手に入るので、ご指摘のようにエコノミーだと思います。
ラムスデンは軸上はかなり優秀で、枚数が少ない分だけ(?)惑星の模様が良く見えますが、軸外はダメダメです。低倍率Rが消滅してしまった理由はその辺りにあるかな、と思っております。
アダプターは、時折製品が出回るようですが、恒常的ではないようです。
https://ja.aliexpress.com/item/32869454912.html?spm=a2g0o.cart.0.0.7c663c00jlbWVF&mp=1
先日、たまたま御ブログを拝読し、早速20cm屈折で実験しました。まだ一度しか試せていませんが、雲間に見え隠れするアペニン山脈の鮮烈な解像感に大変驚きました。金シートを巻いただけなのに!
今まで使ってきた鏡筒でここまでの見え方は覚えがありません。貴重な情報を共有してくださり心より感謝申し上げます。こちらで詳細を書いてみました。
https://ichirophoto.org/望遠鏡の筒内気流と夜露を一掃する神情報!/
屈折望遠鏡にも効果アリとのご報告、これも貴重な新たな知見です。
こちらの記事のように、主には反射望遠鏡での効果が著しいものと思い込んでいました。
https://m-lambda.blogspot.com/2020/03/blog-post.html
それにしても、20cm F7 BINO!!。
素晴らしい機材ですね!
丁寧に巻かれた金色シートが映えます。
さぞかしスゴい像が拝めそうです。
なお、夜露に対しては、屈折望遠鏡やカメラレンズでは銀巻だけでは完全にならない場合があります。
レンズ(ガラス)自体の放射率が遠赤外では存外高いのが問題なのです。
こちらへの対策構想もほぼ完成させてはいるのですが、なかなか手をつけられておりません。
頂いたリンクも勉強させて頂きましたが、Lambdaさんの高い知見と科学的洞察力に感動しきりです。
レンズへの対策構想、物凄く興味があります。これまではUSBヒーターによりレンズの夜露対策は問題になっていませんでしたが、レンズのみ温める事でかえって鏡筒内の気流を乱しているのでは無いか?と疑問に至っております。
またどなたか書き込みがあった様に、壁の放射冷却の問題に対しトラス式が有効であるならば、屈折も鏡筒はレンズ外の視界のみ遮る長さの鏡筒で、中間部はシースルーがベターでは無いかと考えました。
ただその場合、鏡筒内部にも冷たい空気が流れ込むため、鏡筒内側や接眼部のミラー周辺の放射冷却が内側からも進んでしまい、逆にマイナスになる事も考えられるかと思います。その辺り、誠に恐れ入りますがLamdbdaさんの見解をお聞かせ願えませんでしょうか?宜しくお願い致します!
筒内気流という観点では、壁面が少ない開放筒は基本的には有利だと思います。
ただ、遮光環などが空に曝されてしまうので、ここからの「陽炎」は考えどころかもしれません。
基本的に夏の熱いアスファルトと同じで、物体に近いところで密度差の陽炎が激しくなるものと思います。
また、接眼部などもご指摘のように気流(陽炎)の発生ポイントになります(開放/筒内ともに)。
私の反射では、筒の向きによっては接眼筒から流れ落ちる冷気が焦点内外像に見えたりします。
ですので、本気出すときは接眼部の周りにも銀カバーをつけてます。
開放することによってこれが悪い方に行くか、良い方に行くかは、正直なところわかりません。空気が入ること自体は悪い効果で無いと思いますが、露天になるので冷やされてしまうのが苦しいところです。
屈折望遠鏡は、かつて1600年代は開放筒の時代でした。
↓の最後に紹介したカッシーニによる木星スケッチなども、ゾクッときます。
(11cm F100単レンズ、おそらく開放筒だったろうと思います。)
https://m-lambda.blogspot.com/2021/05/1600.html
対物レンズの夜露対策新作戦の要諦は下記なのですが、なかなかガイド鏡相手にそこまでするかというところがあって、なかなか手を付けられておりません。
・フード表面は銀ピカ表面に。
・フードのレンズ付近に通風孔。
・この銀ピカフードの外側に「金属製アウターフードを」。
・アウターフードは漆黒に。
・アウターフードのレンズ側底面の隙間は塞いでおく。
温度は必ず「レンズ > アウターフード」になるので、結露はアウターフード内側で起きて空気を除湿してくれて、除湿後の空気はレンズ表面で露点以下なることはあり得ない、というわけです。
遮光環からの陽炎、、、衝撃的です。
対物レンズの夜露対策新作戦、凄すぎます!Lambdaさんに代わり私が実験してみようかと企んでおりますが、メカニズムが若干私の理解を超えているのと、私の工作技術で実現出来るかどうか、、、
しかも双眼ですので左右の対物ハウジング間の隙間がほとんどなく、アウターフードには工夫が要ります。
換気用のペナペナのダクトホース(パイプ)(薄いアルミ)が、中の銀色反射だけ加工すれば鏡筒筒やフードとして適正が良い?と想像します。軽い、安い、順応速い?(^^) 幸い、アルミむき出しと、黒外装といずれもアマゾンで入手出来ます。
https://www.amazon.co.jp/dp/B09B3ZZHGS/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_dl_B2BN0GBER8AV4YNHSKWK?_encoding=UTF8&psc=1
ついでに、しつこくてスミマセン、、汗、後少しだけ質問させて下さい。
・つまり、レンズ・ヒーターは陽炎を発生させる元凶と考えるべきですね?
・白い塗料と黒い塗料では、黒の方が速く冷える=放射冷却の威力が黒の方が強い、は正しいでしょうか。(つまり、白は黒よりマシ?)
・アルミむき出しと、アルマイトと放射率は大きな違いでしょうか。外装のみアルマイトを削り落とすのがなかなかの手間で、、、。
20cmF7 BINOに装着されているミラーはメガネのマツモトさんのEMS(2回反射の銀ミラー)で、ハウジングは白塗装されています。ミラー自体は中身の材料に関わらず表層の銀コーティングの(金属としての)放射率なら問題ないと思いますが、光束外周はハウジングギリギリまであります。
白塗装でもやはり放射率が高い様でしたら、松本さんにご無理を言ってEMSを塗装前のアルミダイカストの裸の状態に置換実験してみたいと思っております。ただ、塗装面積は大きく無いので、ほとんど違いは見られない可能性もありますし、ご迷惑をおかけしてしまいますが、、、。
アウターフードを双眼鏡につける場合の外観イメージは、観光用双眼鏡かなと思います。
https://japanese.alibaba.com/product-detail/scenic-spot-high-magnification-sightseeing-large-binoculars-for-sale-waterproof-20x100-long-distance-coin-telescopes-60092953720.html
イメージ図はこんな感じです。私なら、板金で作る(作ってもらう)ことを検討するところかと思います(単筒ならDIYできそう)。アウターフードは、内側のフードより短く作るのがミソです。
https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEi90BKaSC1klgFr_XPm9Gu0Lw97UqPzMAAftmFFzzQzD6Jv_r0UEEzgRE8o01DfvHYtVvQTdGU-vVT4rpWpD9JLlVdKIZL3sFsxm7IL_R54fy7DNEAoCSNVZFcHr0yj0AjiOQ2rWaT9I_ZCf_7aiiRR_tJ5-TOkCoRTsqYnzcx9oVuykHAjgTepfk_0AA=s320
(アクセスできるかちょっと不安...)
ヒーターの影響がどの程度かは分からないのですが、恒星の焦点内外像を眺めると気流の様子がよく分かります。自分の手が近づくだけでも周りの陽炎が良く見えます。ヒーターも温度によりますが同様かもしれません。
影響を見てから対策する/しないを検討するのも良いと思います。
塗料の放射率は微妙で、色味のほかに艶消しかどうかが効くようです。
私も塗料の専門家ではないので細かいことは分かりませんが、こちらに一覧があります。アルマイトは強度に酸化というレベルかと思います。こちらの数値を見ると、アルミ剥き出しにしたくなりますネ ^_^;)
https://www.jp.omega.com/techref/pdf/table-total-IR-emissivity.pdf
しかし、双眼望遠鏡のEMSであれば必ず鏡筒下方にありますので、温度順応後は冷気が内部溜まり、ほとんど密度差を生じないと思います。(この点、ニュートン式は冷気がこぼれてきて凶悪なんです)
全てのリンクにアクセス出来ました。この放射率表、永久保存版ですね。
作戦の大枠も理解致しました。
アルマイトはアルミ素地に対しざっと10倍はありますね(^^)
アウターフードは内側のフードより短く作るのは、意図的に横から外気流入をさせ、アウターフードを這う事で強制除湿させ、通気孔から乾いた空気を送り込む作戦ですね?或いはフード間から溢れ出た湿った空気がレンズ側では無く外側に落ちるためですか?
いずれにしても黒の放射熱を逆利用する発想力、恐れ入りました。
このBINOは現状の作りから、対物レンズ・ハウジングがフードも兼ねているために、ハウジング自体に穴空け加工が必要になります。他に替えの効かないオリジナルのため躊躇してしまいますね。
対物側をこれ以上重く出来ない事情もあり、まずはヒーターの悪がどれほどのモノか、陽炎が見える、というのはまだ実感が無いのですが、左右鏡筒で比較実験をしてから判断しようと思います。
これまでは観望の最初からヒーターの電源を入れていましたが、金シートフードによりレンズのクモリ発生までの時間がだいぶ稼げているのでは?という淡い期待もあり、曇ったら一時的にヒーターを入れる、という使い方をまずは試してみるのもアリかもしれません。
とにかく大きな学びを頂きました。重ねて御礼申し上げます。今後もちょくちょく勉強させて頂きます!
なるほど、ハウジング本体への加工が必要となると、気楽にはできませんね。
ご指摘のように、金シート巻きだけでも結露はかなり抑えられます。
これまで冷えた鏡筒で「底冷え」状態だった対物レンズの過冷却が抑えられるからです。
ヒーターは結露が激しいときにだけ稼働させる、というのが良い使い方になりそうですね。
※アウターフードを短くするのは、これで冷やされた冷気がレンズの前にダラダラ落ちてくるのを防ぐため、であります。水分は軽いので、湿気が抜けた空気は重たいのです(冷えてもいますし)。
大規模な改造が難しい場合、あえてつや消し樹脂製のフードを装着する事で、レンズ面に落ちる空気の除湿を優先するアイディアです。どのみちレンズ自身の放射によりレンズ前の陽炎が避けられないのならば、ここは除湿を優先してヒーターフリー化を目指す作戦です。
というのも、プラスチック製のレッド・ドットファインダーがいつも真っ先に夜露で失神していたものが、ファインダー先端に丸めた紙をガムテープで巻いたテキトーな長いフードを装着しただけで、完璧にクモリから開放された経験があります。氷点下で長時間使用した鏡筒写真を確認してみても、フードにしっかり結露した氷が貼っているのも確認出来ます。(レンズ面積が全く違いますが、、、)
https://ichirophoto.org/wp-content/uploads/2022/01/IMG_2549.jpg
紙製というのも水分吸収にたまたま有効だったのか、また植毛紙も同等の効果があるのでは?等も想像中です。
同じ事を対物レンズに応用出来ないかと考えました。その代わりレンズ直前の陽炎はフード冷却により悪化方向に進むと思いますが、ヒーターで温めるよりはマシではないかと。ちなみにヒーターはDCソケットから取ると36W、USBでは9W消費します。DCだと人間の体温よりホッカホカになります。
Lambdaさんの見解をお聞かせ願えませんでしょうか??宜しくお願い申し上げます!
ご指摘のように、プラスチック製のドットサイトは夜露に弱く、これにフードを付けると放射冷却をほぼ防ぐことができて、効果抜群です。
そしてつや消し樹脂フートの除湿効果も、確かにあると思います。
基本的なフードの効果は
金ピカフード > 樹脂フード
ですが、金ピカフードの効果はレンズに近いほど顕著です(レンズから遠ざかると、幾何学的に放射率の影響が下がるから)。
そこで、金ピカのさらに前方(レンズから離れたところ)に樹脂もしくは表面塗装された金属の延長フードがあるというのは、先のアウターフード案と同様の効果が得られるかもしれません!
温度順応の過程では冷気が対物レンズの前を横切りますが、時間が経つとフード内に乾いた冷気が溜まり、順応して結露も防止できるかもしれません。
ドライで冷たい空気をフード内に溜めてしまう、というのは一つの解かもしれません。
https://m-lambda.blogspot.com/2019/06/blog-post_14.html
※36Wは局所だと考えるとなかなか強烈ですね。観察時には止めるのが正解のように思います。これほどまでに結露対策と良像対策に一致点があるとは思っていませんでした。
36Wは20cmレンズ全周x2の総消費電力です。そう考えると、USBの9Wで夜露が止まるなら、意外と放射冷却よりもヒーターONのほうがマシ、なんて事もあり得るのかなと思いました。
20cmF7の光路は1400mmほどですが、EMS-UXLのハウジング内光路長は、接眼側の標準ハウジングが36mmで、大型ハウジングが60mm=合計96mmとなります。鏡筒部分に対するEMSのハウジング部の総合筒内気流への貢献率=96/1400 ≒1/14.6 ということになります。
EMS内の総合光路中で、ヘリコイドと下部の延長筒がほぼ70mmで2インチスリーブがほぼ60mmですから、それらの合計≒130mmで、ハウジング内よりも長いことが分かります。
光束の収斂を考慮に入れると、実際の悪影響は、さらにその1/10の、1/146 程度が妥当ではと松本さんからご指摘がありました。
一方、Lambdaさんの別記事、惑星用の最適なアイピースの記事を勉強させて頂いていて閃いた事があります。
レンズ研磨精度が対物とアイピースでは、像質に対する影響度が何万倍もの差になるというお話、凄く興味深くて印象に残っていたのですが、陽炎に関しても対物よりも接眼部で発生するそれの影響は凶悪なものでは無いかと。
塗装なしEMSハウジング仕様(アルミダイカスト)、実際にやってみる価値は多いにあると思いました。先程EMSの2インチスリーブのアルマイトを気合でヤスリ剥離敢行しました。疲れました。
後日結果をご報告致します。Lambdaさんの研究のお陰で、面白すぎて仕事が手に付きません(^^)
私もワクワクしてきます。
さて、EMSの寄与度合いですが、これは難しいですね。
ご指摘のように、修練したところをゆらぎが通過すると影響は大きいのですが、その一方で「狭い範囲で急峻に密度は変わらない」ので、影響としては「像全体が揺らされる」感じの出方になろうかと思います。
ひょっとしたら、いわゆる惑星観察で見えてるユラユラはこれが原因なのかもしれません。
(上空の気流は、100コマ/秒で撮っても動きを捉えられないくらい断然高速です。50m/sとかですからね。)
※私も天文趣味に復帰して3年くらいですが、古い知識がウソだったことが次々に判明して頭を殴られる衝撃を楽しんでおります ^_^)
アイピースネタもまさにそれで、こちらの方のように「なんじゃこりゃー!」という体験を繰り返しております。
http://sencyo.cocolog-nifty.com/blog/2020/11/post-0ba338.html
昨晩の神奈川県の深夜は0°前後、その中で数時間放置したアルマイト済みアルミ、アルマイトを削り落とした素地むき出し、金シートで包んだ部材のそれぞれ触った感じの温度を比較しました。
と言っても物質の温度を測る計器が無いので極めてアバウトな検証ですが、アルマイト有無に関わらず、アルミはカキンカキンに冷えていて、明らかに空気よりも温度が低く感じます。アルミはどちらも素手で触るのが苦痛なほどに冷えてしまい違いを感じません。一方、金シート巻きの方は、全然冷たくないんです。外気と同じ温度に感じます。1°や2°の差では無いと思います。
この事から物質ごとの放射率の違いは、放射冷却の進行速度の問題だけで、大気や地熱による温度上昇との均衡点に到達するまでの時間が、1時間速いとか遅いとか、そういう話では無いかと思い始めました。つまり、放射冷却を本当に止めるには銀(金)シートが圧倒的に有効で、材質そのものはそれほど気にしなくて良い?という推測に行き着きました。
ちなみに、白塗装されたEMSボディはそこまで温度が低くなりませんでした。樹脂塗料の方がアルミ素地に対して50倍も放射率が高いのに?熱伝導の速さが金属ダイレクトの方が速い?比熱の関係で体温を急速に奪う?この辺りも放射冷却に密接に関係していそうな気もします。Lambdaさんはどう思われますでしょうか?またまた宜しくお願い致します!
さて、まず触感での冷感ですが、これはなかなか難しいです。
人間が感じる温度は表皮の下にある神経の温度ですが、これは物体の温度とイコールではないからです。
表皮の下の温度はほぼ体温ですが、物体に接触すると熱伝導によって冷やさた状態を感知します。つまり相手の物質の温度そのものではなくて伝わってきた熱を感じているわけですので、物質の【熱伝導率】も熱の感じ方に影響します。
アルミは熱伝導率が高いですので、皮膚との温度差を大きく感じることになり、異なる物質との温度差を見極めるのは容易ではないと思います。
銀巻が冷たく感じないのは温度のせいもありますが、シート自身の熱伝導率が低いことも影響している可能性があります。
(つづく)
白塗装されたEMSが冷たく感じなかったのも、塗装の熱伝導率の違いの可能性はあります。(※この点は ichiroさんがコメントで書かれている通りの推論通りです)
が、それ以外にも「平衡温度」を決める要素はいくつかあります。
放射冷却の場合は、空への放射熱量(W)と周囲物体(主に空気)への伝熱量(W)がイコールになったところで平衡温度になります。
物体の温度が下がると、
・空への放射熱量が減る
・周囲物体への伝熱量が増える
という2つの効果で、やがてこの熱量が釣り合って温度低下が止まります。
EMSの場合、筒よりはやや複雑な形状をしていますので、空気への伝熱を行い易く、すくない温度低下で平衡に達する可能性があります。
また、鏡筒に取り付けられている場合には、金属同士の接触で伝熱が起こりますので、鏡筒から来る熱に支えられて、小さい温度低下で平衡に達する可能性もあります。(トータルの放射伝熱面積が小さいので影響が大きい可能性がある)
…が、真面目に計算しないとこの影響がどの程度なものなのかは定量的にはわからないですね。。(実験したほうが早いとは思います)
筒内気流対策と考察、興味深く読ませていただいてます。
早速、エマジェンシーブランケットを注文しました。
夜の天体写真の他に、
D80mmL910mmの屈折とC8を使用して改造したPSTをつなげて太陽のHα像の撮影を始めました。D80mmに比べてC8の画像が焦点距離以上に揺ら揺らしており、筒内気流の影響大
と予想しております。PSTの改造は、ほぼ「ほしぞlove」さんのブログに掲載されている通りです。光学系に入射した太陽光のHα光以外の殆どは同一の系を通じて外部に反射されているようで、鏡筒が温まるという感触はありません。
しかし、冬場に始めたことでこれから気温が上がると気温や風、日射量の影響でどうなるのか??です。
夜間であれば、シートの金色を内側に銀色を外側にして巻き付ければよいと予想しますが、太陽のHα観測ではどうなるのか?試してみようと思います。
Lambdaさんのご意見や予想があればありがたいです。
進展があれば改めてご報告します。
PST改造での太陽観察も面白そうですね!
さて、太陽観察での鏡筒の状況を考えてみますと、
■望遠鏡が太陽の方向に向いている時:
・鏡筒上面は空に向かって冷却されている状態。
・鏡筒下面は地面からの入熱が多く、したがって筒内は対流大。
と読みました。
また、鏡筒内に来るエネルギーは対物開口の面積に来る太陽エネルギーと同一です。
内側から温められるより、外への冷却の方が優勢かもしれませんが、複雑ですね。
■望遠鏡が太陽の方向に向いていない時:
・鏡筒側面にあたった太陽光が筒を温める。
というわけで、この状態から太陽を導入すると、冷えていく過程がまた複雑そうです。
そういうわけで、何がしかの効果はあるんじゃないか、という予想です。
どのような層状構造でブランケットが構成されているかによって異なります。
放射と透過の関係は「対」の関係で方向性はありませんので、単純に反射面の色違いであれば向きは関係ありませんん。しかしながら、実際には樹脂との層構造ですから、反射膜や樹脂が吸収した熱の伝導が相互に起こるので、どの面が樹脂と接しているかということの方が効くようには思います。
反射面が最外周にあるのが、外界からの入熱・放射を防ぐ意味では良いと思います。
この向きの違いは、真夏の炎天下、車のフロントガラスで体感することができます。
フロントガラスの内側に銀色マットを置いても効き目がイマイチなのは、結局ガラスが熱を吸収して車室内に伝導させてしまうからです。
ガラスの外に銀マットを置いたり、日陰に入ると涼しいのは、ガラスが吸収する熱が来ないからです。
同様に、最も外側に反射膜があることが、一番効率的だと考えられます。
(アルミの上に塗料を塗ると、結局塗料の放射率になってしまうのもこれに近い理屈です)
今までの経験ですと、太陽光で内部の空気に蓄熱されているほどでは無さそうですが、少なくとも往復した太陽光が作用しないとも思えない気がしてます。一時間ほど太陽画像を撮影しても鏡筒を触るとちょっとひんやりはしてます。視野を中心から外すと反射光が一部鏡筒を温める側に回りそうですね。
とりあえず、鏡筒がひんやりしているのであれば放射冷却は生じているのでアルミシートなどは効果ありそうですね。
鏡筒内外の実温度を実際に計測してみたいと思うのですが、内部を計測するには改造が必要と思われるので躊躇してます。しかし、鏡筒の外面と気温については何とかなりそうです。
気長にトライしてみます。
望遠鏡が太陽に向いているときはトータル受熱量が最小となりますので、鏡筒を触ってすこしひんやりしているというのはそうだろうなと思います。
温度を測定してみるとは面白いですね。
夜中の実験では、1時間放置(ただし寝かせて置いた状態)で周囲温度より鏡筒は1℃低くなりました。昼間は一段と複雑かと思いますので、いろいろな場面で温度を気にしてみると面白いかもしれません。
誠に申し訳ありませんが、後付けで、しかも、勝手に、私のHP「貧相アブ衛門の嘆き」で、紹介してしまいました。それは、ダメというのであれば、直ぐに削除させて頂きます。
コメントありがとうございます!
C11にミューロン250とは、スゴイ機材をお持ちですね。
鏡筒のホイル包みは、私はもう離れられなくなってしまいました。
もちろんシーイングの影響は受けるのには変わりないのですが、解像度をひと押ししてくれますし、「好シーイング」と思える頻度が上がったように思います。
C11で木星撮影をトライしたのは、2023年は数えるくらいの回数しかありませんでしたが、ほどほどな結果を得ることができました。
また、結露もしにくいです(ニュートン反射では全く結露しなくなりました)。
近頃は、自宅の窓や雨戸にも銀シートを仕込み、夏は涼しく冬は暖かいという生活空間もエコノミーで入手できるようになり、我が家の必需品となりました。
(手法をwebサイトでご紹介いただいている件も、全く問題ありません。)