AZ-GTi経緯台は私のお気に入り機材ですが、自動導入がビシッと決まる時とズレ気味の時があって、けっこうムラっ気があるようです。自動導入精度がイマイチな時にはアライメントをやり直すわけですが、そうなるとどうしてもツボを見つけ出したくなるのが人情というものです。
今回は、AZ-GTiが持つ5つのアライメント方法を検証しつつ、最も楽で正確なアライメント法はどれかという謎に迫ってみたいと思います。
※下記はあくまでも私の個人的な体験に基づく備忘録ではありますが、結論を導く過程で試した5つのアライメント法やバックラッシュによる精度低下を抑えるツボ、そして同期を行うための裏技について書いてみました。
※※記事中の「ノースターアライメント」の使用法に、説明不足な点がありましたので加筆/修正しました (2020.4.30)
________
※情報の保持についての記載に認識誤りがありましたので、修正しました。また、アライメントリセットを行う必要性と方法を追記しました(2022.8.17)。
詳細は改めて記事にしました→「AZ-GTi の怪しげなアライメント動作を糺す」。
AZ-GTiは観望の心強い味方です |
今回は、AZ-GTiが持つ5つのアライメント方法を検証しつつ、最も楽で正確なアライメント法はどれかという謎に迫ってみたいと思います。
※下記はあくまでも私の個人的な体験に基づく備忘録ではありますが、結論を導く過程で試した5つのアライメント法やバックラッシュによる精度低下を抑えるツボ、そして同期を行うための裏技について書いてみました。
※※記事中の「ノースターアライメント」の使用法に、説明不足な点がありましたので加筆/修正しました (2020.4.30)
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※情報の保持についての記載に認識誤りがありましたので、修正しました。また、アライメントリセットを行う必要性と方法を追記しました(2022.8.17)。
詳細は改めて記事にしました→「AZ-GTi の怪しげなアライメント動作を糺す」。
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■ 結論
いろいろ試してみた結果として、ツボさえ押さえれば架台の水平出しがエエ加減でもそれなりの精度での自動導入が可能になります。それでも導入誤差は残ることがあるようですので、そんな時のための「同期」の裏技(?)も考えてみました。
ツボは概ね次のようなところです。
・垂直軸のバランスは崩して設置。
・アプリはSynScan Proを使う。
・アライメントは3スターで。
・基準星導入時の操作法に気をつかう。
(バックラッシュ対策)
更にそれでも天体導入がうまくできないような時には、後述の「同期技」を行えば、まず間違いなくお目当ての天体導入は出来るものと思います。
■ アプリSynScan Pro
SynScan には「Pro」と名がついたアプリがあるのですが、結局これを使った方が楽だな、という結論です。この SynScan Proにある「3スターアライメント」は、ノーマルのSynScanにはありません。特に重たい鏡筒を載せている場合は、3スターアライメントも大事なツボとして必須です。
SynScan Proは名前ほど「プロ」ではないので、ぜひこちらを導入して3スターアライメントを実施するのが良いと思います。※昼間は不用意に太陽に向けないように注意する必要があります。
■ AZ-GTiのアライメント「5種類」とその動作
AZ-GTi(経緯台)のアライメントには全5種類のアライメント方法があって、手軽さと求める精度によって選ぶようになっています。
ちなみに、AZ-GTi(SynScan Pro)にはいわゆる"Sync(同期)"のような動作をさせる機能はありません(2020.3現在)。このため、自動導入したときの方向キーでの修正量は、次の導入には影響しません。導入精度はアライメント時の精度で決まってしまいます。
なお、AZ-GTiのアライメント情報はアプリではなく架台側に記憶されている(誤りでした)ようなのですが、電源を入れ直しても以前のアライメント情報が残っていておかしな方向に架台が動き出すことがあります。やり直しの時には、アライメントの「リセット」を行っておくと良いようです。
AZ-GTi というか、Sky-Watcher の自動導入架台では、架台側は「ホームポジションからの各軸の角度情報」を保持し、ハンドコントローラや SynScan アプリ側が「アライメント情報」を記憶しているようです。
したがって、架台の電源OFFではアプリ側のアライメント情報は消えず、またアプリ側のアライメントリセットでは架台側の各軸の角度情報はリセットされません。
更に、アプリ側のアライメント情報はアプリを再起動しても残っています。この機能により、アプリ再起動や再接続後でもアライメント情報はそのままに観望に復帰できるようになっています。
一方で、架台の電源OFF時やクランプを緩めた動作時など、情報が残っていることによる弊害も考えられます。使用時に怪しい動作をする場合には「アライメントのリセット」と「架台の電源OFF/ON」の両方を実施してからアライメントに臨むのが吉です。(2022.8.17 修正および追記)
1:「ノースターアライメント(仮称)」
もっとも短時間で可能なアライメントで星を全く使用しませんが、とりあえずの自動追尾が可能になる超簡易モードです。
アライメント方法は簡単で、架台を「北向き・水平」に向けてクランプを締めて電源をONするだけです。
追尾のONには「ポイント&トラック」を使います。これは、恒星時追尾をONにしてくれる機能であるようです。(※一般的な"Sync"のような動作はしませんでした。)
このノースターアライメントを行って補助エンコーダーをONにしておくと、AZ-GTiが自動追尾付きフリーストップ架台になってくれて、大変お気楽です。
追尾精度は必ずしも良くはないですが、あるのと無いのでは雲泥の差です。
ちなみに自動導入も動作はしますが、精度は全く期待できません。(架台の水平や、起動時の北向き・水平が完璧でないといけません)
2:「1スターアライメント」
2番目に簡単なアライメントです。「水平・北向き」で電源をONにして、1つの星だけでアライメントを行います。多少追尾精度が向上して自動導入も「無いよりはマシ」になります。
最初の「北向き水平」は基準星導入のためだけに使われていて、アライメントの精度には影響しません。基準星をフリーストップ動作で導入してもアライメントはできます。
誤差要因としては架台の水平が大いに効くので、1スターアライメントでは架台の水平出しを正確にしておく必要があります。
3:「ブライトスターアライメント」
こちらも簡単なアライメントで「起動時の水平・北向き」が不要ですが、最初の基準星(アライメントスター)の導入を手動でやる必要があります。
精度は2スターと同じです。架台の傾きを含めてアライメントで補正されるので、必ずしも架台の水平が出ていなくとも自動導入の精度への影響は小さいようです。後述のバックラッシュ対策に気をつければ、そこそこの精度で導入してくれます。
誤差要因としては水平・垂直軸の直交があります。非改造のAZ-GTiでは構造上直交を保つのが難しい設計になっています(剛性の低いシートが挟まっているため)。このため、重めの鏡筒を搭載した際の精度向上には SynScan Proを使って3スターアライメントを行うことが必要な場合があります。
4:「2スターアライメント」
実行時に「水平・北向き」に鏡筒をセットする必要がありますが、最初のアライメントスターに自動で向かってくれます。この点以外は精度も含めてブライトスターアライメントと同様なのですが、基準星として表示される星の数が多いのも特長の一つです。
5:「3スターアライメント」
3つの星でアライメントすることで、架台自体の水平(傾き)のほかに、水平・垂直軸の直角からのズレ(コーン角)の影響を反映したアライメントパラメータを決めてくれるようで、最も安定した精度で自動導入が出来るようになります。AZ-GTiの構造から言って、少し重めの鏡筒を載せた場合には必須なのではないかとも思います。
電源投入時に鏡筒を「水平・北向き」にしておく必要がありますが、その正確さは自動導入精度に影響しないようです。架台設置時の水平出しも、神経質になる必要はありません。
■ バックラッシュの対策法
対策は2つあります。一つ目は、鏡筒の前後バランスを崩しておくということです(垂直軸周りのバランスです)。一定の方向にテンションがかかる状態にしておくことで、バックラッシュに起因する誤差が軽減できました。反射望遠鏡などでは天頂付近でバランスが逆転してギアのかみ合い位置が変わることがあり、これが起こるのを防止する目的です。私は、主鏡側を重く設定しています。
もう一つは、基準星を視野の中心に持ってくるときに、必ず「右と上のキーで星を移動させて終了する」ということです。
「な~んだ、そんなのSynScanアプリはそうやらなきゃアライメント終了しないようになってるじゃ~ん」と思った私でしたが、甘かったようです。AZ-GTiのバックラッシュは大きいのです(改造前から)。
重要なことは、ちゃんと望遠鏡を覗きながら右と上のキーでそれぞれ星が動いたのを確認してアライメントを終了させる、ということなのです。中心から行き過ぎたら、左や下ボタンで星を視野の端に動かして、再び右と上のキーで調整します。
確かにAZ-GTiのSynScanアプリには、アライメント時の「バックラッシュ対策」は一応組み込まれています。アライメントで星を視野中央に持ってくるときに、必ず右と上のキーを押さないとアライメントを終えられないというものです。
しかし、キーにちょっと触るくらいでもアプリ的にはOK判定となってしまって、バックラッシュ分をしっかり詰め切れていない状態のままアライメントが終了して誤差要因になるようです。
■ 同期をとって天体を視野中心に入れる裏ワザ
色々対策をしても、どういうわけかAZ-GTiの導入誤差は0.4°程度残ることがあるようです。この数値は、例えば60倍・見掛視界50°(実視界0.83°)くらいの視野では視野の端っこに対象が来てしまうくらいですから、暗い天体などの導入に自信が無い初心者にとっては、ちょっと苦しいところです。
初心者なら、暗い天体は視野の真ん中に導入されていることを期待するものです。
(熟練者は人力プレートソルビングで対応するわけですが)
こうした時にのために、自動導入赤道儀では「同期(Sync)」という機能で現在位置の精度を高めて対象天体を導入する方法が用意されているのですが、AZ-GTiにはこの機能はありません(「ポイント&トラック」ではこの同期動作になりませんでした)。
そこで、どうしても自動導入が上手く行かないときに、お目当ての天体の近くの明るめの星を使って精度を上げる「同期法」として次のようなものを考えてみたところ、上手く行きました。
次の操作を行ったところ、かなり正確に対象を導入できました。
1) アライメントが完了している状態から再び「アライメント」を実施します。
(3スターが良いと思います)
2) 第1の基準星として対象天体に近い星を選び、実行します。
(第2、第3星は適当でかまいません)
3) 基準星は自動導入されますが、これが中心に来るように修正します。
4) 完了ボタンを押すと第2星に向かいますが、キャンセルします。
5) 「戻る」ボタンでメニューに戻れば「Sync(同期)」完了です。
この状態でお目当ての天体を導入すると、かなり正確なはずです。
上記の動作によって、望遠鏡の現在の方向が更新されるとともに、自動導入パラメータも再計算されて更新されます。但し、2回目以降のの3スターアライメントを最後までやってしまうとパラメータがトチ狂ってしまう場合がありましたので、「キャンセル」「戻る」で終わることが大切なようです。
-------
こうして暗い天体でも自動導入に任せて色々眺めてみると、市街地からでもけっこう色々な天体を楽しめます。私のような初心者でも、このAZ-GTiのおかげで気楽に春の銀河を愉しめたのでありました。
(透明度の良い夜ならば、M81/82、M65/66、M104といったメシエ天体は比較的見えやすいと思います。難易度はやや上がりますが月齢10越えの月がある中の市街地でも15cm F5鏡を使ってM51を見ることが出来ました。)
※当記事中のAZ-GTiの機能検証は、SynScanアプリの「i」ボタンで表示される座標値や自動導入パラメータの値を注視することで行いました。
関連記事:
・AZ-GTi の設置とアライメント
・AZ-GTi をLANにぶら下げる
■ 結論
いろいろ試してみた結果として、ツボさえ押さえれば架台の水平出しがエエ加減でもそれなりの精度での自動導入が可能になります。それでも導入誤差は残ることがあるようですので、そんな時のための「同期」の裏技(?)も考えてみました。
ツボは概ね次のようなところです。
・垂直軸のバランスは崩して設置。
・アプリはSynScan Proを使う。
・アライメントは3スターで。
・基準星導入時の操作法に気をつかう。
(バックラッシュ対策)
更にそれでも天体導入がうまくできないような時には、後述の「同期技」を行えば、まず間違いなくお目当ての天体導入は出来るものと思います。
■ アプリSynScan Pro
SynScan には「Pro」と名がついたアプリがあるのですが、結局これを使った方が楽だな、という結論です。この SynScan Proにある「3スターアライメント」は、ノーマルのSynScanにはありません。特に重たい鏡筒を載せている場合は、3スターアライメントも大事なツボとして必須です。
SynScan Proは名前ほど「プロ」ではないので、ぜひこちらを導入して3スターアライメントを実施するのが良いと思います。※昼間は不用意に太陽に向けないように注意する必要があります。
■ AZ-GTiのアライメント「5種類」とその動作
AZ-GTi(経緯台)のアライメントには全5種類のアライメント方法があって、手軽さと求める精度によって選ぶようになっています。
ちなみに、AZ-GTi(SynScan Pro)にはいわゆる"Sync(同期)"のような動作をさせる機能はありません(2020.3現在)。このため、自動導入したときの方向キーでの修正量は、次の導入には影響しません。導入精度はアライメント時の精度で決まってしまいます。
AZ-GTi というか、Sky-Watcher の自動導入架台では、架台側は「ホームポジションからの各軸の角度情報」を保持し、ハンドコントローラや SynScan アプリ側が「アライメント情報」を記憶しているようです。
したがって、架台の電源OFFではアプリ側のアライメント情報は消えず、またアプリ側のアライメントリセットでは架台側の各軸の角度情報はリセットされません。
更に、アプリ側のアライメント情報はアプリを再起動しても残っています。この機能により、アプリ再起動や再接続後でもアライメント情報はそのままに観望に復帰できるようになっています。
一方で、架台の電源OFF時やクランプを緩めた動作時など、情報が残っていることによる弊害も考えられます。使用時に怪しい動作をする場合には「アライメントのリセット」と「架台の電源OFF/ON」の両方を実施してからアライメントに臨むのが吉です。(2022.8.17 修正および追記)
1:「ノースターアライメント(仮称)」
もっとも短時間で可能なアライメントで星を全く使用しませんが、とりあえずの自動追尾が可能になる超簡易モードです。
忙しい夕暮れ間際でも自動追尾が容易です (ノースターアラインメント, 写真は2020.2.9, iPhone) |
追尾のONには「ポイント&トラック」を使います。これは、恒星時追尾をONにしてくれる機能であるようです。(※一般的な"Sync"のような動作はしませんでした。)
このノースターアライメントを行って補助エンコーダーをONにしておくと、AZ-GTiが自動追尾付きフリーストップ架台になってくれて、大変お気楽です。
追尾精度は必ずしも良くはないですが、あるのと無いのでは雲泥の差です。
2:「1スターアライメント」
2番目に簡単なアライメントです。「水平・北向き」で電源をONにして、1つの星だけでアライメントを行います。多少追尾精度が向上して自動導入も「無いよりはマシ」になります。
最初の「北向き水平」は基準星導入のためだけに使われていて、アライメントの精度には影響しません。基準星をフリーストップ動作で導入してもアライメントはできます。
誤差要因としては架台の水平が大いに効くので、1スターアライメントでは架台の水平出しを正確にしておく必要があります。
3:「ブライトスターアライメント」
こちらも簡単なアライメントで「起動時の水平・北向き」が不要ですが、最初の基準星(アライメントスター)の導入を手動でやる必要があります。
精度は2スターと同じです。架台の傾きを含めてアライメントで補正されるので、必ずしも架台の水平が出ていなくとも自動導入の精度への影響は小さいようです。後述のバックラッシュ対策に気をつければ、そこそこの精度で導入してくれます。
誤差要因としては水平・垂直軸の直交があります。非改造のAZ-GTiでは構造上直交を保つのが難しい設計になっています(剛性の低いシートが挟まっているため)。このため、重めの鏡筒を搭載した際の精度向上には SynScan Proを使って3スターアライメントを行うことが必要な場合があります。
4:「2スターアライメント」
実行時に「水平・北向き」に鏡筒をセットする必要がありますが、最初のアライメントスターに自動で向かってくれます。この点以外は精度も含めてブライトスターアライメントと同様なのですが、基準星として表示される星の数が多いのも特長の一つです。
5:「3スターアライメント」
3つの星でアライメントすることで、架台自体の水平(傾き)のほかに、水平・垂直軸の直角からのズレ(コーン角)の影響を反映したアライメントパラメータを決めてくれるようで、最も安定した精度で自動導入が出来るようになります。AZ-GTiの構造から言って、少し重めの鏡筒を載せた場合には必須なのではないかとも思います。
電源投入時に鏡筒を「水平・北向き」にしておく必要がありますが、その正確さは自動導入精度に影響しないようです。架台設置時の水平出しも、神経質になる必要はありません。
■ バックラッシュの対策法
対策は2つあります。一つ目は、鏡筒の前後バランスを崩しておくということです(垂直軸周りのバランスです)。一定の方向にテンションがかかる状態にしておくことで、バックラッシュに起因する誤差が軽減できました。反射望遠鏡などでは天頂付近でバランスが逆転してギアのかみ合い位置が変わることがあり、これが起こるのを防止する目的です。私は、主鏡側を重く設定しています。
もう一つは、基準星を視野の中心に持ってくるときに、必ず「右と上のキーで星を移動させて終了する」ということです。
「な~んだ、そんなのSynScanアプリはそうやらなきゃアライメント終了しないようになってるじゃ~ん」と思った私でしたが、甘かったようです。AZ-GTiのバックラッシュは大きいのです(改造前から)。
重要なことは、ちゃんと望遠鏡を覗きながら右と上のキーでそれぞれ星が動いたのを確認してアライメントを終了させる、ということなのです。中心から行き過ぎたら、左や下ボタンで星を視野の端に動かして、再び右と上のキーで調整します。
確かにAZ-GTiのSynScanアプリには、アライメント時の「バックラッシュ対策」は一応組み込まれています。アライメントで星を視野中央に持ってくるときに、必ず右と上のキーを押さないとアライメントを終えられないというものです。
しかし、キーにちょっと触るくらいでもアプリ的にはOK判定となってしまって、バックラッシュ分をしっかり詰め切れていない状態のままアライメントが終了して誤差要因になるようです。
基準星を中心に合わせる手順(左・下キーを使わずに終えます) |
■ 同期をとって天体を視野中心に入れる裏ワザ
色々対策をしても、どういうわけかAZ-GTiの導入誤差は0.4°程度残ることがあるようです。この数値は、例えば60倍・見掛視界50°(実視界0.83°)くらいの視野では視野の端っこに対象が来てしまうくらいですから、暗い天体などの導入に自信が無い初心者にとっては、ちょっと苦しいところです。
初心者なら、暗い天体は視野の真ん中に導入されていることを期待するものです。
(熟練者は人力プレートソルビングで対応するわけですが)
こうした時にのために、自動導入赤道儀では「同期(Sync)」という機能で現在位置の精度を高めて対象天体を導入する方法が用意されているのですが、AZ-GTiにはこの機能はありません(「ポイント&トラック」ではこの同期動作になりませんでした)。
そこで、どうしても自動導入が上手く行かないときに、お目当ての天体の近くの明るめの星を使って精度を上げる「同期法」として次のようなものを考えてみたところ、上手く行きました。
次の操作を行ったところ、かなり正確に対象を導入できました。
1) アライメントが完了している状態から再び「アライメント」を実施します。
(3スターが良いと思います)
2) 第1の基準星として対象天体に近い星を選び、実行します。
(第2、第3星は適当でかまいません)
3) 基準星は自動導入されますが、これが中心に来るように修正します。
4) 完了ボタンを押すと第2星に向かいますが、キャンセルします。
5) 「戻る」ボタンでメニューに戻れば「Sync(同期)」完了です。
この状態でお目当ての天体を導入すると、かなり正確なはずです。
上記の動作によって、望遠鏡の現在の方向が更新されるとともに、自動導入パラメータも再計算されて更新されます。但し、2回目以降のの3スターアライメントを最後までやってしまうとパラメータがトチ狂ってしまう場合がありましたので、「キャンセル」「戻る」で終わることが大切なようです。
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こうして暗い天体でも自動導入に任せて色々眺めてみると、市街地からでもけっこう色々な天体を楽しめます。私のような初心者でも、このAZ-GTiのおかげで気楽に春の銀河を愉しめたのでありました。
(透明度の良い夜ならば、M81/82、M65/66、M104といったメシエ天体は比較的見えやすいと思います。難易度はやや上がりますが月齢10越えの月がある中の市街地でも15cm F5鏡を使ってM51を見ることが出来ました。)
※当記事中のAZ-GTiの機能検証は、SynScanアプリの「i」ボタンで表示される座標値や自動導入パラメータの値を注視することで行いました。
関連記事:
・AZ-GTi の設置とアライメント
・AZ-GTi をLANにぶら下げる
コメント
15年前にミードLX-200-25で木星への彗星衝突とか見ていましたが
天文趣味から暫く遠ざかっていて、つい最近久しぶりにLX-200をベランダに
持ち出して見たら想像以上によく見えてまた星が見たい気持ちが高まってきました。
だが、その日LX-200は赤緯のコントローラ制御ができなくなっており、歳もとったことから
重たい機材ではもう気軽にということはできないと痛感し、本当に手軽に観望できる機材を
探していてこのブログを見てAZ-GTiしかないと思いました。
既に発注していて2週間後に納品予定です。今から楽しみです。
なのでもっとAZ-GTiの記事を沢山載せてくれることを願っています。
ちなみに、LX-200-25cm鏡筒は捨てるにはもったいないので、
鏡筒のみ取り外してAZ-マウントProに乗せて楽しむことにしました。
AZ-マウントProは速攻で注文してもう手元にありますが、
鏡筒が未だ届いていないのでもどかしい気持ちです。
今後も楽しみに参考にさせて頂きます。
1994年のSL-9の木星衝突、私も眺めました。
小望遠鏡では見えないとされていたものが見えて、感激したのをよく覚えています。
ミードのLX200-25cmとは、すごい機材をお持ちですね。昔憧れました。
AZ-GTiに載せるには巨大すぎる…と思ってしまいましたが、こちらはAZ-MOUNT Proに載せるのですね。
大型の機材も、眼視や電視観望といった用途では、経緯台が抜群にラクで楽しいと思います。追尾さえやってくれれば、べつに赤道儀である必要はないですからね。
AZ-GTiは、現在は主に 15cm鏡を載せて活躍してもらっています。
近頃の私はちと時間が逼迫してしまっておりまして、思うように星を見られておりませんが、これからも気付いた点があればAZ-GTi関連も引き続き記事にしていきたいと思います。
AZ-GTiにはセレストロンC6XLT鏡筒とSkyWatcher BKED80を載せて
最初は観望を中心に楽しみ、少しずつ天体写真を撮影したいと思っています。
オートガイドはステラショット2の利用を考えています。
AZ-GTiを経緯台モードでどのくらいの焦点距離まで撮影できるのかという限界も試してみたいですね。
一応赤道儀モードでの撮影も視野に入れていて、少しずつ色んなことを試してみれたらと思っています。
撮影とオートガイドは初めてなので、このブログで分からないことを質問させて頂くとおもいますので、暖かい目で対応して貰えると嬉しいです。
AZ-GTiで15cmを載せられるのは正直驚きました。改造があって初めて実現できる積載量だと思います。Lambdaさんの記事には納得できる自分の考えの裏付けも添えられているので読んでいて、なるほどと頷いてばかりいます。夜露の対策は早速取り入れたいと思いました。
今後ともよろしくお願いします。
C6 や BKED80 は AZ-GTiとベストマッチですね。
天体撮影も、AZ-GTiで試みている方が大勢おられるようです。
経緯台のまま短時間露光で多枚数露光して重ね合わせることで、画角の回転問題をクリアしている事例もあるようですね。
赤道儀モードで使うやり方も流行中で、かなり良い結果を得ている方もおられます。
私は観望専用にしてしまっておりますが、応用範囲は広いみたいです。
別ページで紹介している APT (Astro Photograph Tools) で、パソコンでAZ-GTiを制御してリモート撮影をされてる方なんかもおられて、いろいろ楽しみ甲斐がありそうですね。
今後とも、よろしくお願いします。
Nexstar経緯台は設計が古い感じです。基本性能はなかなかいいと思うのですが。アライメントの仕組みはAZ-GTiとほぼ同じようです。1スターだと経緯台の水平が絶対条件ですが、2スターアライメントだと経緯台の水平からの傾きも分かり、3スターアライメントだと水平と垂直軸のズレも分かるということなんでしょうね。赤道儀は巨大でパワフルな精密機械式時計ですが仕組みが完全にアナログで限界があると思います。ライブスタックのようなコンピューター技術で経緯台方式+ドブソニアンのような大口径望遠鏡を動かす方向に行くような気がしてます。
AZ-GTi、お気楽度が高くてとてもナイスです。
基本的なL字部分が金属製で剛性が高くて軽く、ソフトと併せて使い勝手も悪くないです。
(スマホ操作は専用コントローラよりは操作感がよくないですが)
赤道儀は、やはり長時間露光しようと思うと良さがありますが、大口径のドブソニアンみたいなものは経緯台が優れてると思います。ライブスタックとの組み合わせは、より良い手法が編み出されていくんじゃないかと想像しています。
こんな重いものを平然と持ち出して、極寒の冬でも蒸し暑い夏の夜でも虫に刺されるのをいとわず天体写真撮影に励む人は一種の修行僧のようでしたが、これからは電子観望で部屋の中から気軽にライブスタックという人が増えるのではないかなと。私はそれを目指してますw
ベランダから短秒多数枚でオリオン大星雲がこれほどに美しく撮れるのなら文句なしですねw
http://reflexions.jp/tenref/orig/2020/02/24/10150/
ご指摘の通りだと思います。赤道儀はガリレオの時代(もしかするとそれ以前)から使われていたアナログ装置ではありますね。
特に昨今のCMOSセンサーを使った短時間露光での撮影は、長時間露光でなくとも相当に写るところまできましたから、これからますます使われていくだろうと私も思います。
たしかにこれを行っても全然導入精度が改善されないので変だとは思っていたんです。
ステラナビゲータのQandAか何かにsynscanには外部から架台側に経緯座標を伝える機能が無い
とか記載があった気がしますが、そのためなのでしょうか。synscanの通信プロトコルを調べた
ことは無いので分かっていませんが。
そうなんです。AZ-GTiの「ポイント&トラック」には、恒星時追尾をONにする機能しかなかったんです。
私も、AZ-GTi がどういうAPIで動作しているのかは分からないのですが、どうやら架台側が思ったよりもインテリジェントで、架台側に色々な情報が記憶されているようです。
SynScanのapiは公開されています。
https://skywatcher.com/download/manual/application-development/
Manual: SynScan Pro App - Command Set(api)
Manual: Synscan Serial Communication Protocol, Version 3.3(command)
当方メインの観望対象が重星のため、SynScanの持っているデータ、User Objectsの容量、形式では役に立たず、星座毎の重星リスト(位置情報は星表から抽出)から位置情報をSynScanに渡して導入するアプリを作成して現在テスト中です。
対象を視野の中心に導入できない(3-starがうまくいった時でも視野内の同じ位置にずれる)ので対応策を模索している時にこちらを拝見し、Syncコマンドがあったことを思い出して早速実装してみました。
結果、同じ星座内であればほぼ確実にすべての対象を視野中心に導入できるようになりました。
但し、この結果がアライメントの修正に使われるのは、アライメントメニューのAlign with Syncの項目を見る限り特定の条件を満たした場合だけのようで、それ以外の場合(Last star at ... is not a suitable alignment starと表示される)にはアライメントのパラメータは変化せず、PAE(Pointing Accuracy Enhancement)のような機能のためだけに使われている感じ(推測)です。
Syncコマンドを実行するためだけであれば、SynScanで導入後(調整はしない状態で)、Get Positionで位置データを取得(SynScan内のGOTOのパラメータは取れないので)し、SynScanに戻って視野中心に位置を調整した後、元の位置情報をパラメータとしてSyncさせるようなアプリで大体は対応可能だと思われますが、なぜ(SynScanに)組み込まれていないのかが疑問ですね。
そして貴重な情報、ありがとうございます!!
SynScanのAPI公開されていたのですね。全然気づいていませんでした。
マニュアルを覗いてみるととても単純で、なんだか夢が広がる感じがします。
そしてSyncコマンドが効くとの情報も大変貴重で、感謝です!
ご指摘の "Align with Sync" も、ちょっと動作が不定(?)で、安定して何かが出来る感じではなかったので放ってしまっておりました (^^;;)。
AZ-GTiのアライメントは、アライメントパラメータの算出と、現在位置の同期から成っているようなのですが、この現在位置の同期がアライメントの過程で微妙にズレている臭いがしておりまして、なんとか Sync相当のことができないか、という苦肉の策をとってみたのでありました。
ご指摘のように GetPosition→調整→Sync ができれば万事解決ですね。
SynScanアプリにその機能が実装されてくれればスマートなのですが・・・。
※本件、大変興味深い情報をお伝えいただきまして、重ねて御礼申し上げます。
GOTOで指定した位置とGet Positionで取得した位置がどれぐらいずれるのかが気になっていましたが、概ね最大*/-5程度以下(標準の19.8秒単位なので約100秒、デバッグに使っているSE-AT架台の場合)になっています。
syncコマンドの効果とかお調べになるようでしたらお渡しできますが、要ります?
SynScanについては、Align with Syncの明らかなバグ(utfコードの文字化け、アクセスのたびに項目がコピーされて増える)やGitHubに公開されている情報が2012年頃までで止まっていることから見て、あまりやる気が無いのか、元々の開発者がいなくなっているような気がしてなりません。(その割には更新版でアライメントの精度向上とかなっていますが...)
なので、今後あまり機能の向上は望めないように感じています。
(SynScanに関して)もう一つ作成する予定のアプリがあり、それと合わせれば(SynScanに)一度戻らなくても済むようになるので、androidのタスク切換えを併用すれば、どうにか使えるのではないかと思っています。
# コマンドリストをご覧になっていれば、作るアプリの機能はお分かりかも...
"Align with Sync" のバグについては気になってました ^^;
おそらく、私がやろうとしていた Sync か、簡易PAEを実現する機能なのだろうと思っていたのですが、ご指摘のようにバグバグで真面目に動作しないので、諦めていました。
残念なようですが、開発者が去ってしまった可能性はありますね。
SynScanの代わりになるアプリを作ってしまうというのもアリかと思ったのですが、公開されているAPIではアライメント自体は出来ない雰囲気ですので、そこは難しいようですね。
一度アライメントが済んでしまえば、あとは別アプリで全部やるというのはできそうです。
アプリご提供のオファー、とても嬉しいです。
Lambdaの個人的な事情により、いつテストできるかは不透明な状況なのですが、AZ-GTiを使いやすくしていくのには興味があります。
もし可能でありましたら、トップページの連絡フォームからご連絡いただけると嬉しいです(私宛に直接メールが届きます)。
昨日は空も良かったので、アプリのテストをしていました。
SynScanとSynCmdの連携の確認で、syncありなしの比較(微動後再度のgotoでsyncありは移動せずsyncがない場合自動導入位置に戻るはず)をしていて、syncありの有効性は確認できたのですが、syncなしの場合に一度手が滑ってボタン(十字線のターゲットに星がある、隣にチェックマークも)に触れてしまいました。
その後gotoするも予想に反して移動しないまま。
なんとあのボタンがsyncコマンド発行だったんです。ずっと次の画面に移動するためだけと思っていましたが...
確かにボタンを押しても(普通は...後述)何も起こりませんし、同じ対象を繰り返してgotoすることはまずないので、気付かないのが当然ではありますが、ボタンの表示(アライメント時にも出ますね、ある意味アライメントはsyncの繰り返しとも言えますから...)を見て、疑問に思うべきでした。
残念なこともあって、問題なくsync出来る時もあったのですが、syncが効かない場合があることが分かりました。
前に試したときは運が良かっただけなのかもしれません。
まだ詳細は分かっていませんが、この場合にAlign with Syncに not a suitable alignment starの表示が出ているようなので、syncはアライメントの修正に使われ、PAEのような機能は無いのかもしれません。(残念...)
(この時には、あのボタンでも同じなので、syncコマンド発行の確証とはなりました。)
また、syncを繰り返していくと、その後gotoで全く違う方向へ移動する、といった症状も起こりました。パラメータがトチ狂ってしまう場合、と同じ感じでしょうか。3starアライメントが失敗した場合にも同じような現象が出ますね。
そうなるとアライメントからやり直しなので困ったものです。
ということで、あのアプリは不要になりました。(役には立ちました...)
一方コントロールアプリは順調に動作したので、別のバージョンとも合わせてどこかで公開しようと思っています。
取り敢えずご報告まで。
全く気が付きませんでした。
こちらでも動作をよく確認した上で、ひょっとしたら本文も訂正必要ですね。
SynScanは、パラメータを算出する方法がプログレッシブと言いますか、ちょっと雑なようです。実は最近EQ6赤道儀も買ったのですが、こちらのアライメントもパラメータ導出法に疑義ありで、よく極軸を合わせた1スターアライメントが一番精度がいい有様です。
パラメータの算出を最小二乗法でやればこんなことにはならないはずなのですが、アライメントスターが1つ追加されるごとに逆行列を解くのか何なのか、偶然アライメントスターの座標の直交性が足りなくなるとトチ狂ってしまうのではないか、と想像しています。
そしてSyncコマンドも、真の意味での Syncではなくて、アライメントパラメータを弄ってしまうようですね。実は、このネタでちょっとした開発ネタをやろうと思っていただけに、残念なところです。
何はともあれ、貴重な情報、ありがとうございます!
ところが、期待するSyncの動作をしてくれているかというと、そんな気がしません。
実は、自動導入時にはいつも修正後にこのボタンを押していたのですが、これで導入精度が向上したりしたことはないのです。
確かに、このボタンを押した後に同じ星を導入しようとすると、反応してくれません。
ですが、他の星を導入すると、やはり同じだけズレて導入されてしまうのです。
そこでPCとも接続しながら動きを見ているのですが・・・謎ですね(^^;;;;)。
Sync動作(?)をやっても、現在向いている方向情報が更新されないのです。
SynScanのボタンでやっても、いただいたSynCmdのアプリでやっても同じです。
アライメントパラメータも動いていないように見えますが、こちらはもっと確認が要るのかもしれません。
まったくの謎挙動で、ちょっと設計者の意図を測りかねているところです。
先にこちらから。
sync動作(?)をやっても、現在向いている方向情報が更新されないのです。
ということですが、赤緯赤経情報ですよね?
取り敢えず屋内で、前回作ったsyncmdアプリ(sync時に再度get positionして、そちらも表示するもの)で確認してみました。sync後、再度get positionして、その位置と比較しましたが、元の位置(微動前)の情報が取得できているようです。
ただ、これは初回のsync時についてで、同じ対象に対して、繰り返し微動、syncを行っても、このsyncは無視されるようで、その時には上記取得位置は微動後の位置になります。
この動作を見る限り、問題は無いようなのですが、一度実際の天体で確認してみたいと思います。
で、syncについてですが
やはり架台の水平は正確に出しておかないといけないのではないか、という点が気になっています。
syncがうまく機能していた時は、水準器の中心に気泡が来るよう、かなり正確に水平出しをしました。それに対し、前回syncmdのチェックをした時には、水準器の赤線の円ギリギリぐらいの位置に気泡が来ていました。
確かに理論的には2starで水平(鉛直軸)補正が出来るはずなのですが、補正パラメータが大きいと、その後syncを繰り返すことによって、補正の破綻をきたす状態が起こりやすくなる可能性があるのではないか、ということです。
で、確認なのですが、
ですが、他の星を導入すると、やはり同じだけズレて導入されてしまうのです。
の他の星、とsyncした星の位置関係はどんな感じでしたでしょう。
私が確認したのははくちょう座とこと座の二重星でだったのですが、この時は一度補正(たしかアルビレオ)の後は面白いように視野中心に導入できた記憶があります。
ただ、次にてんびん座のSh190を導入したときには視野中心からずれました。というかアイピースの視野には入らず、ファインダで導入したように覚えています。
この時にsynscanのパラメータをチェックしていないので、確証的なことは言えないのですが、やはりsyncは基本的には、エリア内のsync(これはコマンドのマニュアルにも書かれています improving pointing accuracy to nearby object)で、アライメントのパラメータ修正に使える場合には、そちらにも反映する、ということなのではないかと。
エリア内のsync、と言っても、これも実際にどういう方法でやっているのかは謎です。(いっそ、sync後の位置情報が微動後の情報だったら、エリアごとに補正値を持っているのでは? と思えるのですが)
色々言っても、実はsynscanアプリ、結構よく出来ている(フルスクラッチで作るのはやっぱり大変...)なので、アライメント周りのsourceだけでも公開してくれると、欠点を避けた使い方の工夫が出来ると思うのですが...
こちらで「更新されない」と思っているものは、赤経赤緯情報です。
PC版のSynscanで情報を監視しながら挙動を見ているのですが、導入完了のボタンで赤経赤緯情報やアライメントパラメータが更新されている形跡がないのです。(ちなみに、アライメント実行時には、アライメントパラメータが更新されていく様子が観察できます)
天体導入時も、視野の中でのズレ方が毎回同じで、近隣の天体を導入してもほぼ同じズレ方なので、赤経・赤緯の割と単純なシフトが補正されていない感じでした。
当方のファームが古かったのかもしれません(赤道儀化に対応していないバージョンです)。
このたび目出度く古い基盤は破損させてしまいましたので、改めて挙動をチェックしたいところです。
おっしゃるように、Synscanアプリはそれなりによく出来ているので、これとの併用が平和な道のように思えています。また、AZ-GTiは架台にアライメント情報を入れない限り恒星時追尾が困難になってしまいますから(外付けコントローラがPCのようなものなら常に制御できるかもしれませんが)、謹製アプリ活用は必須のようにも思えます。
ただ、プログレッシブにアライメントの係数群を決めていくやり方が、安定感を欠く原因になっている感じは否めないですね。。。
導入完了のボタンで赤経赤緯情報やアライメントパラメータが更新されている形跡がないのです
なのですが、
自動導入後(微動修正前)の赤緯赤経情報に対し
1
微動修正 ---> 赤緯赤経情報が変化
導入完了 ---> 赤緯赤経情報が自動導入後の値に戻る
2
微動修正 ---> 赤緯赤経情報が変化
導入完了 ---> 赤緯赤経情報が変化したまま
3
微動修正 ---> 赤緯赤経情報が変化しない
導入完了 ---> 赤緯赤経情報が変化しない
のうちどれでしょうか?
天体導入時も、視野の中でのズレ方が毎回同じ
ということからすると、2のような感じですが、特定の領域だけではなく、空の他の領域でも同じようになりますか?
空の他の領域でもズレ方が同様だったかどうかは確認しないと、ちょっと分からないですね。
自分はSkyWatcherGotoDOB12を今年の夏に購入しましたが、
導入精度が悪く悩んでおりました。
そして色々と調べている内にこのブログにたどり着きました。
ハードは違っても同じSynScanなので”バックラッシュの対策法”
を試したところほぼ狙った天体が導入できるようになりました。
Goto DOB12のモータユニット機構もかなりのバックラッシュが
有るみたいで十分に右と上のキーを押しておかなければならないことが確認出来ました。
本当にありがとうございました。
次は夜露対策等を試してみたく考えております。
これからも斬新な記事をよろしくお願いいたします。
GotoDOBも、同じ問題を抱えていたのようですね。
問題解決のお役に立てたようでなによりですし、また、貴重な情報の共有に感謝いたします。
さて、鏡筒の銀巻きですが、私は大変気に入っております。
夜露もそうですが、余計な筒内気流を起こさないという意味でも効き目があるようで、良像を得ています。
筒が半分までしかない SW社のドブソニアンでどこまで有効かはわかりませんが、興味のあるところですね!
早速のお返事ありがとうございます。
もちろん ”衝撃!筒内気流除去の術” も熟読させて頂いております。
結露と合わせて結果を期待して銀巻きの取り付け準備しております。
また現在AZ-GTiの廉価版AZ-GTeを発注しております。
コストダウンで水平方向の粗動機構を無くしているとの事で使用上は少し不便ですが、逆にLambdaさんが改善された弱点が無くなるのでは???
とか考えながら納入を待っている毎日です。
面白い結果が得られましたらご報告させて頂こうと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
銀巻きは、むかし「鏡の限界かな・・・」とあきらめていた15cm鏡筒の性能も伸ばしてくれたので、大変驚きました。
さて、AZ-GTe ですが、粗動エンコーダをなくしたのはある意味妥当だと思います。
AZ-GTiの粗動は渋すぎて、そのままでは誰も使えないと思いますから、自動導入専用にするのは理に適っているなと思っています。
個人的には「中に黒いシートが入っているのが変わっているかどうか・・・?」、というところに興味が湧きますが、重量級の機材を載せなければあまり関係ない世界かなと思います。
Synscan Appですが、バージョン1.19.12がskywatcherのサイトにアップされていたので
ダウンロードしてインストールしました。本来はPlayストア経由でアップデートするべきですが、
Playストアは古いバージョンのまま放置され更新されていません。
最新版はいろいろ機能が追加されていました。カメラの制御も出来るようです。
最新のユーザーズマニュアルにはsyncという機能が記載されているのですが存在せず、
align with syncという名前の機能が追加されていました。
これがsyncと思われますが、本当に同期の機能をするのかは確認できていません。
アライメントの精度の低さ自体は改善されていないように思います。
によるとsyncが出来ることにはなっていますね。
本当ですね。SynScan Appもアップデートされているようですね。
そしてなにより、ちゃんとしたマニュアルがアップされていますね(!)
これまではいまいちオフィシャルな挙動がよくわかりませんでしたが、マニュアルを読んでいくといろいろヒントがありそうな感じです。
最近も、たまに観望用途で AZ-GTiを持ち出すのですが、新しいアプリはまだ試していませんでした。
Syncの精度も、なんだか最近は(天頂付近以外は)問題を感じていなかったのですが、ちゃんとした使い方をしたらもっと良くなるのかもしれません。
情報、感謝です!
複数のサイトで「リセットが必要」と書いてありますが、
私がインストールしたSynScan Pro」のリセットボタンは
非アクティブとなって押すことができません。
iボタンで確認すると、電源投入直後は
--------------------------------
方位/高度 360°00' 00" 0°00'00"
時角/赤緯 12h00m00s
+52°46'07"
赤経/赤緯 8h32m15s
+52°46'07"
軸 0°00'00" 0°00'00"
--------------------------------
となっています。
下記のURLにスクリーンショットを置きました。
http://www17.plala.or.jp/tamagawa1960/SynScan_info.jpg
リセットボタンをアクティブにする方法について、ご存じでしたら
教えてください。
ご指摘を受けて試してみましたところ、
「アライメント情報が記録されると、リセットボタンがアクティブになる」
ということのように思われます。
私も電源投入時点では 方位/高度が 0°/0°でした。
360°も同じことともいますので、玉川さんの状態であれば「リセット」された状態になっているものと思われます。
主鏡側を少し重く、右と上で最後合わせる。
刷り込んでおきたいと思います。
まだ実際にやってひませんが赤道儀モードにした場合
取付が右左逆に取り付けした場合は左と上の微調整で終わる。
という解釈でよろしいのでしょうか?
申し訳ありません。m(__)m
初歩すぎる質問で・・・
AZ-GTiの赤道儀化やそのファーム対応ということですね。
私自身は赤道儀化はしていないのですが、「赤道儀化しても上と右」ボタンでオーケーだと思います。
SynScanアプリは、他の赤道儀にも対応していて、結局その場合でも右と上で調整を終える仕様になっているからです。
厳密には、初期の取り付けでギヤの押しと引きの関係は変わると思いますが、本質的にはどちらで噛み合っていても構わないとは思います。
ご丁寧にありがとうございます!
yellow5です。
聞かずに体得しなければ!ですよね(;^_^A
AZ-GTiの情報が少なく
ついうれしくなりコメントしてしまいました。
新月期に入ったら特訓いたします。
また何かあれば質問させてくださいませ。m(__)m
「不明な点をいろいろ周囲に訊ける」のが現代のよいところかもしれません。
より多くの方が機材の力を引き出せたらなあ、と願っております。