こちらはオークションで2万円強で買えてしまいました。「
口径20cmでこの価格」というのにつられて細かいことには目をつぶる前提で落札したのですが、使ってみるとなかなかの性能に驚愕です。
■ 総評
コスパ最強ではないかと思える出来です。星雲星団から惑星まで、眼視にも撮影にもそれなりに使える実力アリと見ます。昨今の中華製品恐るべしです。ほどほどに難があるのはチャームポイントと割り切りが必要です。
■ ミラー
|
Kenko SE200N CR |
反射望遠鏡のキモ、主鏡の出来については、正直言って期待していませんでした。2万円ですからね。なので星雲星団観望用という割り切りの期待値で買ったのでした。
しかししかし、恒星でピントを合わせてみて、意外とシャープなことに気づくわけです。更にこれを、だいぶ離れてしまった2018年末の火星に向けてみて認識を改めまることになりました。
西に傾いて視直径5秒に満たなくなった火星表面の模様が、かなりハッキリ見えたわけです。
私もかつて様々な観望会を渡り歩いて、Nikonの10センチEDとかPENTAXやタカハシの15センチアポだとか大口径ドブ、あとどなたかの15センチF10ニュートンだとかC14なども覗いてきました。その記憶を基準にしても、これは割とよく見える方の鏡ではないかという感想です。
真価を発揮させる上では、もちろん温度順応は必要です。シースルーセルと青板ではないパイレックスとおぼしき主鏡ですが、日没後1時間くらいはなじませます。
■ 鏡筒の作り
|
黒塗りした斜鏡 |
ここは色々言われてますが、とにかく
対策必須なのは斜鏡です。側面のいわゆるコバが未塗装でギラギラしています。このため、恒星にピントを合わせると、斜鏡スパイダーの回折像とは違う位置に怪しげな激しい光芒が現れます。速攻で斜鏡を取り外して
黒塗りしました。
主鏡、斜鏡とも光軸調整具はオーソドックスですが、斜鏡が偏心した設計なのと主鏡に手が届かないので、
レーザーコリメーターは必須です。逆にこれがないとだいぶ辛いです。
また、主鏡セルの調整ネジが突出してるのはいただけません。鏡筒保管時に立てておくと、押しネジが緩んでしまいますので、セルにゴム足を貼り付けて床にネジが触らないようにしてます。
鏡筒の真円度も色々言われていますが、どうせ
自動導入を使い始めると鏡筒の回転は基本的にNGになるので、まあどうでもいいかなと思っています。私は、接眼部を横ではなく赤緯軸のタテ方向に向けて固定し、あとは脚立を使って覗いています。こうすると写真撮影の時も鏡筒の向きによる赤緯のバランス変化が少なくて、ガイドで大暴れしなくて済む気がします。
■ 接眼部
いわゆるクレイフォード 式というやつで、すこぶるスムーズです。フォーカサーに不満はありません。デュアルスピードがあるとなお良いですが、贅沢は言えません。鏡筒の値段より接眼部の方が高いですから(笑)。
しかしながら、接眼アダプタは謎の作りです。普通に2インチになっていればいいのに、独自規格のアダプタを介して1.25インチと切り替えるようになってます。
結局、後で買ったスカイウォッチャーのコマコレクター付属の2インチアダプタがプロファイルが低くて汎用性があるので、これを常用してます。
にほんブログ村
コメント