反射望遠鏡の光軸調整(レーザーコリメータ使用)

こちらのページは、レーザーコリメータを使用したごく一般的な光軸調整の簡単な解説記事です。当ブログに、グーグルから「光軸調整」でお越しになる方が多く、申し訳ないという思いから、私の備忘録を公開するものです。

※反射望遠鏡の斜鏡の位置調整などのマニアックな方法については、ブログの本編をご覧いただければと思います。惑星観測などの多くの場面では、ここで紹介する光軸調整で十分だと思われます。

 なお、この記事には、「主鏡にセンターマークをつける方法」「レーザーコリメータ自体を調整する方法」については記載されていません。
 ごく一般的な情報のみが記載されているものとご理解ください。

■ 調整の手順
レーザーコリメータを使った反射望遠鏡の光軸調整は、次のようなステップで行います。

0. 鏡筒の安全確保
 必ず鏡筒は水平になるようにします(私は室内では床に置きますが、架台に載っていてもかまいません)。また、接眼筒も水平に近づけておきます。
 鏡筒を立てたまま調整してはいけません。工具類を鏡の上に落とすと、壊したり傷つけたりしてしまい、大変悲しいことになるからです。

1. 調整器具の確認
 レーザーコリメータは主に輸入品を入手することになると思いますが、精度が悪いものも流通しているようです。
 反射望遠鏡の接眼部に取りつけて、主鏡に映るレーザーの明かりを見ながら調整器具をグルグル回します。回すのに伴って戻ってくる光もグルグル位置がずれるようであれば、それはレーザーコリメータの調整不良ということになります。

2. 斜鏡の調整
斜鏡の調整
レーザーコリメータを接眼筒に取り付けて、電源を入れます。斜鏡の調整ネジにレンチを挿しこみ、調整できるようにします。最初のレーザー出力は、小さくて良いと思います。
 斜鏡の調整は、主鏡に落ちるレーザー光を見ながら行います。斜鏡の3つのネジを緩めたり締めたりして、レーザー光が主鏡のセンターマークに入るように調整します。
 最後にしっかり締め付けますが、この締め付けで光軸が微妙に動きますので、それを見越して「調整しながら締め付けていく」ようにすると良いように思います。
 なお、私はここで、星座望遠鏡を使って状況をよく見るようにしています。
斜鏡調整の様子(主鏡に映るレーザー光を見て調整します)

3. 主鏡の調整
 レーザーコリメータの白い面に注目すると、レーザー光が戻ってきているのが見えます。主鏡の調整は、このレーザー光を中心の穴に落とし込むようにして行います。
 調整は、主鏡セルについている押し引きネジを回して行います。最初に押しネジを緩めておき、引きネジで調整します。

4. 仕上げ(主鏡)
 主鏡の調整が終わったら押しネジを締めつけるのですが、その前にひと仕上げします。レーザーが中心の穴に落ちていても、更にその中でも中心に返ってきて欲しいところです。これを確認するために、レーザーの出力をMAXに上げます。
 すると、穴から漏れてくる光が穴のフチに当たったりして見えますので、この光が最も小さく対称に近づくように調整します。
 最後の押しネジを締め付け終わったときに、穴の周りに漏れてくる光が小さくなるようになっていたら完成です。

主鏡調整の様子(コリメータの白い板に映るレーザー光を見て調整します)

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以上が、私が行っているごく一般的な反射望遠鏡の光軸調整の方法です。

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