フォーカサーの減速装置

 SE200N CR鏡筒泣き所の一つだったフォーカサーの微動をデュアルスピード化するというもので、AliExpressで買った 9000円弱の装置がバッチリはまったので報告です。同様のものはシュミカセ用なども売られているようです。この手の微動装置のいいところは、微調整ができるということもさることながら、てこの原理で小さな力でピント調整ができるというところで、写真撮影には心強い味方です。

■ デュアルスピードフォーカサー

減速装置を取り付けたSE200Nの接眼部
格安のケンコーSE200N CRのフォーカサーにはクレイフォード式が採用されていて、スムースさやアソビの少なさには満足していたのですが、いかんせん合焦ノブに微動減速装置がついていないので、ピント合わせにはやや難儀していました。惑星撮影時もそうですし、直焦点撮影の時にも微妙な調整には粗動・微動がついたデュアルスピード式がいいなあ、と思っておりました。
 接眼部自体を交換するという荒療治も考えたのですが、取り付けネジ穴の位置などを考え始めると面倒臭さ爆発で、価格も鏡筒本体以上で二の足を踏んでいました。鏡筒に穴をあけるのはめんどいです。

■ ボール減速機

そこで、微動減速装置を物色していて見つけたのが AliExpressにあったもので、FS-60CB/Q用と銘打たれている取付金具付きのものです。この手の減速装置はボール減速機と呼ばれているもので、ボールと偏心把持具を使って遊星歯車機構のような動作をさせるものです。減速/増速双方向の力の入力に対応できるので、これをつけると粗・微動の双方が使えるようになるため、望遠鏡用としては「デュアルスピードフォーカサー」と称しているようです。
 ポイントは、取り付けで外輪が固定されていないと減速機構として動作しないということです。わざわざFS-60用というのを買った理由も、このための外輪固定用の金具が付属していたから、です。金具無しの減速装置は6000円ほどで売られていたのですが、金具がないと難儀しそうな感じでした。
 ちなみにこの減速機の減速比を調べてみたら 1/7でした。

■ 減速装置の取り付け

軸継手「カプリコン」
取り付けには何がしかの工作が必要になることを覚悟しての購入だったのですが、軸のカップリングと、取り付けネジ用の穴の拡幅だけ行えばオーケーで、金具と軸位置はピッタリ合いました。
 軸の継手(カップリング)はカプリコンというやつで、元々の接眼部の軸径がφ4、減速装置側がφ6ということで、これに合う樹脂製のものを500円ほどで購入しました。このカップリングはたわみを許容することで軸ズレを吸収して滑らかな動作をさせる機能もついていて、変にガッチリ固定するより安心です。
 接眼部への固定は、前述の金具を接眼部のどこかに固定する必要があります。SE200N CRの接眼部についているテンション調整用のM6イモネジを抜いて、代わりに長めのM6ボルトを使い、途中にナットを挟んで取り付けます。M6ボルトで合焦シャフトにテンションをかけて元のイモネジの代わりをさせ、ナットで減速装置を接眼部に固定します。クランプネジのツマミとナットが干渉しがちではありますが、ナットをグラインダーなどでわずかに削れば問題ありません。

 この減速装置のおかげで、うちのSE200Nもいっぱしの撮影鏡筒になった気分です。合焦操作もすこぶる楽になりました。次は…惑星写真もピンボケじゃないやつにトライしてみたいところです。

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