赤い星雲でUHCフィルターを試す

このところ使用している SvBONYのUHCフィルター ですが、OPTOLONGのUHCと特性が全く同じということで、いろいろ撮影トライ中です。何度か撮影しているM42の写真の中で比較できそうなものがありましたので、レポートです。
Comparison of no-filter/SvBONY UHC filtered M42
フィルターなし/SvBONY UHCフィルター使用 でのM42の比較
(※撮影日は異なります, いずれも快晴)
■ 背景を抑えて赤い星雲を写す
 1月に練習で撮影したノーフィルターのM42と、この週末(3/8)にSvBONY UHCフィルター使用で撮影したものとの比較です。ちょっと条件が違ってるのが申し訳ないのですが、ISO800×3分とISO400×6分ですので、光量自体は全く比較できなくもないかな、というサンプルです。
 元画像を見ていただくと分かるように、フィルターなしではかなり真っ白です。ちなみにBのヒストグラムはギリギリ一部飽和していましたので、光害のためにこれ以上はまったく露出できないという限界の露光時間です。
 これに対して、UHCフィルターを使用すると元画像の背景はだいぶ明るさが減っていることが分かります。しかしながら、フィルターの特性からも分かっていたように、LEDの青色は半分くらいは通してしまうので、そこのカブリを避けきれてはおらず、背景が青くなっています。
 これに、ざっくりと色調&ガンマ補正をかけたのが下段の写真です。フィルターなしの方が光量が多いので、M42の中心は明るく映っているものの、淡い部分は背景に紛れてしまっています。ガンマ補正の過程で背景を暗くしていくと星雲もつられて暗くなってしまうためです。
 これに対してUHCフィルターを使用したものでは、淡い部分も現れていることが分かります。SvBONYのUHCフィルターには、間違いなく光害をカットして星雲を強調してくれる効果が認められます。背景と赤い星雲とのコントラストが十分にあるので、M42中心の光量が飽和しない程度の光量であるのに、やや淡い部分の濃淡も良く描写できています。また、露光時間も更にかける余地があるので、より淡い部分を描写することも可能と思われます。現に、M51などの系外星雲の撮影でも、だいぶ長い時間の露光に耐えてくれています(※注:自宅からの方角の問題で、3月現在のM42は至近距離にある駅&繁華街の方向にあって光害が大変厳しく、M51の方が有利な位置にいます)。

(ちなみに、SvBONY UHCを入手する前に使用していた、いにしえのATMのフィルターですが、こちらが侮れない実力だったんだなあと今さらながら思いました。というか、このUHCにかなり近い特性なのではないか、と。今さら入手もできず詳細特性も不明なフィルターなので、詳細比較は割愛しますが。。)

それにしても、撮影画像をみると周辺減光が強烈です…。SE200NとAPS-Cカメラの組み合わせでは、フラット補正が必須ですね。
 

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