ついに手に入れた3群5枚の"PL" の4mm版(Datyson 黒狗シリーズ)を試し、月・惑星用アイピースとして大変すばらしい性能を確認しました。中心像だけでなく周辺像も含めて、驚くべき解像力とコントラストです。私が所有している SMC-XO/XP/O、HR、TOE、およびRadianで月と土星を覗いて見比べましたが、甲乙を言うのは困難でありました。
しかしながら、懸案は、果たしてエコノミーアイピースの横綱としての心・技・体が備わっているかというところです。このシリーズのアイピースには当初の記事にも記載のある通り品質に不安を抱えており、十分に吟味する必要があります。
結論から申しますと、当該製品は万人にはお勧めはできない品質の不安定さでありました。良品を手に入れられるかどうかは運次第です。
正直申しまして、その素晴らしい像と価格(850円)は、エコノミーアイピースとして大横綱の出現を十分予感させるものでありましたが、横綱審議委員会(?)としては不祥事の重大さに鑑み、横綱への推挙は行わないことといたしました。
昇進伝達の口上で述べる四字熟語を考えていたワタクシとしても残念の極みであります。
■ 入門、快進撃、そして不祥事の経緯
もともと、このアイピースは貸与いただいた謎の3群5枚のPLOSSL 6mm版によって高性能シリーズであることが見えてきたものでした。これは"PLOSSL"とは銘打っているものの、中身はPentax XO5にも似ていると言えなくもない3群5枚のプレスル+スマイスという構成で、6mm版の像はかなり優れていました。しかしながら、スマイスがメニスカスになっていることに起因する視野中心の強烈なゴーストが難点でした。
そしてゴーストの発生源の考察と議論から、「焦点距離違いバージョンはゴーストが出ないのでは?」という推論に至り、PL4mmを注文したというものです。
これを先に入手された方からは、このPL4mmについて "素晴らしいの一言"との絶賛されていて、私も到着を首を長くして待っておりました(中国からの配送がいつ来るかは運次第)。
こうした情報→着想→議論→検証という流れが自在にできるようになった時代には、本当に感謝です。
私は、このPL4mmを AliExpress と Yahooの双方に注文を出していました。AliExpressで注文したものが先に届き、私も「素晴らしい!!!」と言える像を確認したのでありました。
もう一方の Yahooの方は、先に入手された方がその素晴らしさを称えたショップですから、安心しきっていました。
しかーし。やってきたアイピースを覗くと、いくらなんでも狭すぎる視野、そして不良な像です。
よく見ると、外観も良品とは違う。要するに、まがい物がやってきたわけです。おそらく、先に購入した方の後に入荷したものがまがい物だったのでしょう。
こんな千円もしないアイピースの偽物を作るというのも酔狂な話なのですが、それは現実に起きたのであります。
そしてネットの情報でも、同様の問題が起きていることが確認されました。私が6mm版を購入したときにも埃が混入しているものがやってきましたし、同シリーズを入手された方の中にはレンズに傷がついていたという事案もありました。
情報を総合すると良品と不良品の割合は5勝4敗という成績で、横綱相撲とは言えないというわけです。(おそらくもう一敗、という情報が入る気が…)
結論だけをまとめると、「キズや埃がある不良品が来る場合がある」「まがい物が来る場合がある」「良品情報と同じショップで買っても駄目な場合がある」というわけで、良品を手に入れられるかどうかは完全に運次第の製品だったということです。無念。。
■ とはいえ、その性能は凄い
ラッキーにも手に入れられた良品 PL4mm は、月と木星でその性能を確認することが出来ました。チェックに使用した鏡筒はSE200N CR(20cm F5ニュートン)で、比較確認用に使用したアイピースは セレストロンSR4mm、Pentax SMC O-6mm / XP3.8mm / XO2.5mm、ビクセン HR 2.4mm、タカハシ TOE 3.3mm、テレビュー Radian 4mmです。
覗いてみると、このPL4mmの視野環は 6mm版と同様に境界がボケた不安を誘う加減です。視野そのものは見た感じで40°弱と広くはありません。
ただしこのPL4mmは、6mm版とは異なり中心部のゴーストが消え失せているのがポイントです。
アイポイントはXPやSRと比較すると比較的良心的で、視野が狭いこともあって覗きづらさはさほどでもありませんでした。
まず月に向けてみますと、中心はもちろん視野周辺まで十分シャープで美しい像を結んでいます。倍率の色収差も感じられません。視野を動かしても、歪曲が特別気になるということはありませんでした。ここはSR4などとは大いに違うところで、かなり高い整像性と収差補正が確認できます。
但し、視野は狭いので、月面観察という点では RadianやTOEの広い視野と比較すると快適性は劣ります。
そして土星に向けてみますと、実に素晴らしい像を結んでくれます。この日のシーイングは必ずしも良くはありませんでしたが、カシニの隙間が周の半分以上が確認でき、本体の模様は太い縞(SEB)の下の細い縞(NTB)が淡く存在がわかり、美しい土星を堪能できたのであります。
この日の状態でNTBが最もコントラスト良く確認できたのは XP3.8mmでしたが、このPL4mmもこれに全く劣らず,比較に使った名だたるアイピース達に全く引けを取らない像質でした。
色味はやや黄色い系統で、HRよりはXOに近いと感じられました。
■ どれほどのまがい物が混ざっていたか
さて、素晴らしい像の話のあとに「まがい物」の検証です。このまがい物の極端に狭い視界と酷い像質は、一体何モノなのでしょうか?ここまで酷いと、躊躇なく分解できるのは美点(?)です。
分解してみたところ、これまた見たことのない3群3枚のレンズ構成で、言ってみれば「変形ハイゲンスにスマイスレンズをつけたような」謎構成でした。
一見プレスルにも見える眼側の2つのレンズですが、そのうち視野側は分厚いだけの単レンズで、2枚にはなっていません。眼レンズはなんと段付き単レンズで、スペーサーが組み立てやすいように段がついていました。
これでもSRのように良く見えてくれれば、とは思ったわけですが、残念ながら像もボケていていま一つのC級品だったのでした。無念。
■ このシリーズのレンズは何者か?
これほどのまがい物が出現するこのアイピースシリーズが何者なのか、気になるところです。まさか、天体望遠鏡用に設計されたものだとは考えにくく、もっとたくさん売れる分野のレンズ構成を転用したものだと考えるのが自然です。
良品PL4の視野レンズ側をよーく見ると、留め具に「4mm」「F1.2」「1/3"」という刻印が見えます。察するに、もともとは何かの対物レンズであるようで、1/3インチセンサー用ぽい感じに見えます。
タレコミ情報によれば、もともと何かの検査装置用からの転用だという話も耳にしました。全くの想像ながら、いわゆるマシンビジョンと呼ばれる製品検査に用いられるレンズで、どちらかというと顕微鏡の対物レンズに近いシロモノなのではないか、という気はします。
したがって物体面側は平面にピントが合うことが求められ(アイピースとしては像面湾曲が小さい)、また歪曲が少ないことや高い解像度がプロフェッショナル用途で求められていた可能性は十分にあります。
そして天体望遠鏡などとは違って生産数量が桁違いの分野であれば、価格が桁違いに安くなるのも頷けるところです。ニセモノの出現も、そうした需要の求めに応じたものと考えれば合点がいかなくもありません。
もちろんこれは単なる想像ではありますが、需要が大きい分野であればレンズの開発や製造に割けるリソースも桁違いなわけで、そうした別分野に天体分野でも使える逸品が隠れていることを示唆しているのかもしれません。
<余談>
このシリーズは、本家(?)のDatysonからはこの「黒狗シリーズPL」はすでに供給が停止されていて、現在は8mm版だけが純正(?)品として入手可能です。AliExpressには「2019猪年紀念版」の刻印入り写真があったので注文したのですが、残念ながら刻印はありませんでした。光学系は良品でした。
そこで刻印が無いことのクレームがてら、この素晴らしいPLシリーズの「純正版」の復活を祈るメッセージを添えて送信したのでした。
(なお、現行のDatyson PLは、ごく普通のプレスルになってしまっています。)
しかしながら、懸案は、果たしてエコノミーアイピースの横綱としての心・技・体が備わっているかというところです。このシリーズのアイピースには当初の記事にも記載のある通り品質に不安を抱えており、十分に吟味する必要があります。
結論から申しますと、当該製品は万人にはお勧めはできない品質の不安定さでありました。良品を手に入れられるかどうかは運次第です。
正直申しまして、その素晴らしい像と価格(850円)は、エコノミーアイピースとして大横綱の出現を十分予感させるものでありましたが、横綱審議委員会(?)としては不祥事の重大さに鑑み、横綱への推挙は行わないことといたしました。
昇進伝達の口上で述べる四字熟語を考えていたワタクシとしても残念の極みであります。
■ 入門、快進撃、そして不祥事の経緯
問題の Datyson PLOSSL 4mm, 右側が Datyson純正の良品, 左側には Datysonの刻印はありません |
そしてゴーストの発生源の考察と議論から、「焦点距離違いバージョンはゴーストが出ないのでは?」という推論に至り、PL4mmを注文したというものです。
これを先に入手された方からは、このPL4mmについて "素晴らしいの一言"との絶賛されていて、私も到着を首を長くして待っておりました(中国からの配送がいつ来るかは運次第)。
こうした情報→着想→議論→検証という流れが自在にできるようになった時代には、本当に感謝です。
私は、このPL4mmを AliExpress と Yahooの双方に注文を出していました。AliExpressで注文したものが先に届き、私も「素晴らしい!!!」と言える像を確認したのでありました。
もう一方の Yahooの方は、先に入手された方がその素晴らしさを称えたショップですから、安心しきっていました。
視野レンズ側から見た写真 右側が Datyson 純正です (まがい物4mmの外観は、良品6mmに似ています) |
よく見ると、外観も良品とは違う。要するに、まがい物がやってきたわけです。おそらく、先に購入した方の後に入荷したものがまがい物だったのでしょう。
こんな千円もしないアイピースの偽物を作るというのも酔狂な話なのですが、それは現実に起きたのであります。
そしてネットの情報でも、同様の問題が起きていることが確認されました。私が6mm版を購入したときにも埃が混入しているものがやってきましたし、同シリーズを入手された方の中にはレンズに傷がついていたという事案もありました。
情報を総合すると良品と不良品の割合は5勝4敗という成績で、横綱相撲とは言えないというわけです。(おそらくもう一敗、という情報が入る気が…)
結論だけをまとめると、「キズや埃がある不良品が来る場合がある」「まがい物が来る場合がある」「良品情報と同じショップで買っても駄目な場合がある」というわけで、良品を手に入れられるかどうかは完全に運次第の製品だったということです。無念。。
■ とはいえ、その性能は凄い
ラッキーにも手に入れられた良品 PL4mm は、月と木星でその性能を確認することが出来ました。チェックに使用した鏡筒はSE200N CR(20cm F5ニュートン)で、比較確認用に使用したアイピースは セレストロンSR4mm、Pentax SMC O-6mm / XP3.8mm / XO2.5mm、ビクセン HR 2.4mm、タカハシ TOE 3.3mm、テレビュー Radian 4mmです。
覗いてみると、このPL4mmの視野環は 6mm版と同様に境界がボケた不安を誘う加減です。視野そのものは見た感じで40°弱と広くはありません。
ただしこのPL4mmは、6mm版とは異なり中心部のゴーストが消え失せているのがポイントです。
アイポイントはXPやSRと比較すると比較的良心的で、視野が狭いこともあって覗きづらさはさほどでもありませんでした。
まず月に向けてみますと、中心はもちろん視野周辺まで十分シャープで美しい像を結んでいます。倍率の色収差も感じられません。視野を動かしても、歪曲が特別気になるということはありませんでした。ここはSR4などとは大いに違うところで、かなり高い整像性と収差補正が確認できます。
但し、視野は狭いので、月面観察という点では RadianやTOEの広い視野と比較すると快適性は劣ります。
そして土星に向けてみますと、実に素晴らしい像を結んでくれます。この日のシーイングは必ずしも良くはありませんでしたが、カシニの隙間が周の半分以上が確認でき、本体の模様は太い縞(SEB)の下の細い縞(NTB)が淡く存在がわかり、美しい土星を堪能できたのであります。
この日の状態でNTBが最もコントラスト良く確認できたのは XP3.8mmでしたが、このPL4mmもこれに全く劣らず,比較に使った名だたるアイピース達に全く引けを取らない像質でした。
色味はやや黄色い系統で、HRよりはXOに近いと感じられました。
■ どれほどのまがい物が混ざっていたか
さて、素晴らしい像の話のあとに「まがい物」の検証です。このまがい物の極端に狭い視界と酷い像質は、一体何モノなのでしょうか?ここまで酷いと、躊躇なく分解できるのは美点(?)です。
分解してみたところ、これまた見たことのない3群3枚のレンズ構成で、言ってみれば「変形ハイゲンスにスマイスレンズをつけたような」謎構成でした。
一見プレスルにも見える眼側の2つのレンズですが、そのうち視野側は分厚いだけの単レンズで、2枚にはなっていません。眼レンズはなんと段付き単レンズで、スペーサーが組み立てやすいように段がついていました。
まがい物のPL4 左端がメニスカスのスマイスレンズです 真中は凸単レンズ、右端は段付き単レンズでした |
これでもSRのように良く見えてくれれば、とは思ったわけですが、残念ながら像もボケていていま一つのC級品だったのでした。無念。
■ このシリーズのレンズは何者か?
これほどのまがい物が出現するこのアイピースシリーズが何者なのか、気になるところです。まさか、天体望遠鏡用に設計されたものだとは考えにくく、もっとたくさん売れる分野のレンズ構成を転用したものだと考えるのが自然です。
良品PL4の視野レンズ側をよーく見ると、留め具に「4mm」「F1.2」「1/3"」という刻印が見えます。察するに、もともとは何かの対物レンズであるようで、1/3インチセンサー用ぽい感じに見えます。
タレコミ情報によれば、もともと何かの検査装置用からの転用だという話も耳にしました。全くの想像ながら、いわゆるマシンビジョンと呼ばれる製品検査に用いられるレンズで、どちらかというと顕微鏡の対物レンズに近いシロモノなのではないか、という気はします。
したがって物体面側は平面にピントが合うことが求められ(アイピースとしては像面湾曲が小さい)、また歪曲が少ないことや高い解像度がプロフェッショナル用途で求められていた可能性は十分にあります。
そして天体望遠鏡などとは違って生産数量が桁違いの分野であれば、価格が桁違いに安くなるのも頷けるところです。ニセモノの出現も、そうした需要の求めに応じたものと考えれば合点がいかなくもありません。
もちろんこれは単なる想像ではありますが、需要が大きい分野であればレンズの開発や製造に割けるリソースも桁違いなわけで、そうした別分野に天体分野でも使える逸品が隠れていることを示唆しているのかもしれません。
<余談>
このシリーズは、本家(?)のDatysonからはこの「黒狗シリーズPL」はすでに供給が停止されていて、現在は8mm版だけが純正(?)品として入手可能です。AliExpressには「2019猪年紀念版」の刻印入り写真があったので注文したのですが、残念ながら刻印はありませんでした。光学系は良品でした。
そこで刻印が無いことのクレームがてら、この素晴らしいPLシリーズの「純正版」の復活を祈るメッセージを添えて送信したのでした。
(なお、現行のDatyson PLは、ごく普通のプレスルになってしまっています。)
コメント
自分の手元に来た1本は素晴らしく、久々に何も考えず人に勧められる良品の出現と信じて疑わなかったのですが、現実は予想だにしない複雑な状況だったのですね。もう、残念としか言いようがないです。当方が利用したショップでは当時の在庫の最後の1本だったのですが、その後入荷したものは既にダメでしたか・・・個人的にはラッキーでしたが、やはり落胆の方が大きいです。
ただ、現状でも複数の販売店で数本注文すれば「当たり」が含まれる可能性もある、ということなんでしょうか? 実は結構以前に「Series500 Plössl10mm」を注文してあって先日やっと届いたのですが、見るのが恐くなってきました。
私も、Ali で買ったものが良品でしたので、「もう一本も間違いなく…」と期していました。
実は、その良品を試しているまさにその最中の夕方に不良品が届き、愕然としたのであります。
おそらくシベットさんが購入されたショップも、「何も考えずに似たものを入荷」してる状況なんだと思います。
本当に、仰るように「excuseをつけずに人に勧められる」と私も感じた矢先でしたので、残念です・・・。
ところで、Series500というのも同じ系譜のようにも見えますね。
こちらは「Series500」が一種のブランドになっているようにも見える(?)だけに、ちょっと期待しちゃうところです。
特に、ビクセンバローTと組み合わせた240倍では海の部分の諧調と小クレーターの描写が素晴らしく、時間を忘れるほどでした。先に入手していた「Series500 Plössl4mm」300倍でも同じような見え方でしたが、圧倒的に10mm+バローの方が覗きやすく、しかもわずかに見かけ視野が広い(と言ってもアラ40°前後の話ですが)ので、当初の目論見通りではありました。ビクセンLV4mm300倍との比較では、覗きやすさと見かけ視界では負けますが、海の部分の描写力では圧勝! さらに「Series500 Plössl4mm+バローT」600倍とペンタXO2.5mm480倍の比較でも、さすがにコントラストではやや劣る(しかしこれはバローのせいかも)ものの、ほぼ同じ見え方で、改めてそのパフォーマンスに感じ入った次第です。
という風に、昨日までだったらベタ褒めで終わってたと思うのですが、今日はこのパフォーマンスを目の当たりにしても複雑な気持ちです・・・・長文失礼いたしました。
私も、運よく良品を 4mm・8mmと入手できましたので。
本当に、ベタ褒めしたくなるというか、凄いパフォーマンスだと認めざるを得ません。
これが安定的に供給されたらどんなに素晴らしいか…と、私も同じく大変複雑な気持ちでおります。
ところで、先に入手されたのは"Series500"なのですね。
どうやら私のところに来たブツ(不良4mm)とは完全に違うようです。
(おそらくもう一敗、という情報が入る気が…)
↑ あ、僕のことですね? さっき調べてみたら
まさしく「まがいもの」でした。(4mmのほう)
Datysonの刻印もありません。
残念・・・・・
しかし12.5mmの方は、外見は「本物」ですので
性能も本物でしょう。バローと組み合わせて観望するのが
楽しみです。
10mmも注文すればよかった・・・・・
もういちど4mmを注文する気力はありません。(微笑)
検証ありがとうございました。
そうでしたか…、やはりそちらが入手された4mmもNG品でしたか。。
しかし 12.5mmは良品の外観とのこと、勝敗は 6勝5敗というところです。
このアイピース、安定供給される日が来ると良いのですが、なかなか確認も大変そうです。
自分は次の10mmも同じショップで買ったのですが、これにも"Series500"とあります。
いずれもよく見えるアイピースだったので、最後の望みとして、Series500 と刻印されているものだと大丈夫、と仮定できるでしょうか? この基準でも玉石混交だったらもうお手上げですが・・・・・・
私のところに来た4mmにはSeries500の刻印はありませんでした。
調べてみると、Series500 PLOSSLは、欧米のショップで取り扱いがあるようです。
こちらは意外と品質が安定してるのかもしれません。
ちなみに、シベットさんご購入のSeries500は、視野側レンズの外見が私のものと同じ感じでしょうか?
それも同じものかどうか、ちょっと気になるところです。
というかこんなにバレル先端付近までレンズが来てなく、4mmの方では厚さ数mm、10mmのほうでは厚さ10mmくらいに光学エレメントが納まっています。この厚みに3群5枚が納まるなんてすごいなと何も考えずに思っていたのですが、Lambdaさんの記事をよく読むと、そんなはずはなく、全くわたくしの勘違いだった可能性が大きくなっています。たぶん・・・Series500は普通のPlössl構造ではないでしょうか? 4mmの方はアイポイントが非常に短いのですが、これもLambdaさんの良品とは話が食い違います。自分がちゃんと見てなかったため混乱に拍車をかけたようで申し訳ありません。
しかし、このSeries500もものすごく良く見えるのです。品質が安定しているんだったら、「初心者向けローコストPlössl」として勧められます! しかし、こうなると、自分も何とかDatyson 純正の良品を入手してSeries500と比較する必要がありますね。
Series500はどうやらジェネリックPLのようですね。
しかし昨今の中華研磨技術が異様なまでに高精度になってきたことで、プレスルの収差補正と見え味を両立したアイピースが出現したのかもしれません。
それにしても、この千円級アイピースで、こんな群雄割拠があるとは驚きです。
私が購入したのは、AliExpress のALILI Optics というストアで、一応視野レンズの写真が載っています。
良品が来るかどうかは…当たるも八卦、ではあります。
が今日届きました。所要10日だから中国からの発送にしては早かったです。
結果から言うと良品でした。
シーイングが非常に悪い中でしたが、15cmF8鏡筒にて恒星像と夜景で、SERIES500のPL4mmと比較しましたが、全く遜色なく、Lambadaさんのインフォメーション通りの良像でした。ジフラクションリングが分かる瞬間もあるような気も。500の方は視野環がはっきりしてるのですが、今回届いた4mmははっきりしない分だけわずかに見かけ視界が広い感じ。あと、500と比べてドローチューブをかなり後ろまで引き出さないとピントがあいません。アイポイントは500よりだいぶ長くて覗きやすいです。
自分のところに届いたのにも、視野レンズ側の留め具に「4mm」「F1.2」「1/3"」という刻印らしきものがありそうです・・・・というのも、サンドペーパーかなんかで刻印を消そうとして消しきれず、その上から艶消しの黒と塗った感じ。「F1.2]は読めるのですが、その他ははっきりしません・・・・目的外への転用に後ろめたい気持ちでもあったんでしょうか(笑)。
ちなみに視野レンズ側の第一面はほぼ平面に見えました。こういう設計のスマイスレンズでしょうか。
取り急ぎ、ご報告!
良品とのことで、星は7勝5敗で勝ち越し王手(?)ですね。
そして、この4mmはまたお安いですね…。
Datysonの刻印もあるようですし、モノ自体は私が入手したものと同一のように思えます。
私の4mmも、視野側がほぼ平面になっております。
(こちらの良品は大変良く見えるので、まだ分解できておりません)
そしてそして。
この4mm、灯台下暗しというヤツで、もうすこし品質が安定してそうなベンダーから出ているを発見してしまいました。
https://ja.aliexpress.com/item/32789858149.html?spm=a2g0s.9042311.0.0.4d0c4c4dFWPTJC
若干価格はしますが、十分他人にオススメできるものになるかもしれません。
もちろん、確認のためにまず注文してみました。到着待ちです。
ところで、今回入手したPL4mmでひとつ言い忘れていたのですが、商品ページにはDatysonの刻印がある画像が紹介されていて、自分の注文の根拠にもなったのですが、送られてきた製品には、Datysonの刻印はなく筐体に「PLOSSL 4mm FULLY COATED」とのみあり、体裁としてはノーブランド品に見えるものでした。性能的には問題なく、結果オーライだったのですが、開封した時には「あー、お約束の別ロットが送られてきましたよね」って焦りました(笑)。
やはり運次第な感じが拭えない世界がありますね。。。
それだけに、これまで不良を引き当てたことのない SvBONYには期待が高まるところです。
ところで、「高倍率アイピース総評」の記事に追記したのですが、いわゆる最近の"国産オルソ"がほぼ全て谷オルソと同じ大井光機製だったということが判明しました。
これらのオルソは普通に良く見える部類なのですが、抜群かと言われるとそうでもありません。
これに対してこのプレスルは、名だたる高級アイピースと比較して引けを取る感じが全くしませんので、おススメの逸品になり得るなあ、と思うのです。
このプレスルの上を目指そうとすると、一気に3万円~の世界に突入かな、と思ううわけです(それだけのお金を払っても、このPLを超えられると断言するのは難しいです)。