近頃の天体撮影機材では、ケーブルがやたらと這い回る状況が発生しがちです。デジタルな力で色々な天体をお気楽に撮影できるようになったのは良かったのですが、ケーブルが大量に這い回る状況は、できれば避けたいものです。
今回は、こうしたケーブル取り回し問題に対処できそうなUSBハブと、これと並行して導入したデジタル一眼の電源のUSB給電化を紹介してみたいと思います。
天体撮影時のケーブル類は、追尾に伴う姿勢変化や風で揺れたりしてガイド失敗の原因にもなるということで、これまでも鏡筒に固定した中継BOXを介して接続してきました。
しかし、PHD2やAPTの導入で必要なケーブル種も数も変わってしまったため、新たな対策が求められることになったのでした。
※ケーブルに関しては、赤道儀に引っかかって事故を起こすという体験記を拝見するにつけ、対策してるつもりの自分も全然他人事じゃないなという思いを強くしたのであります。
■ クランプで固定できるUSBハブ
ここで紹介するのは、望遠鏡への固定にちょうどいいUSBハブです。これはクランプ付き4ポート USB3.0 Hubで、アルミ製の筐体がガイド鏡の取付けレールなどにクランプで固定できるようになっています。ORICOと書いてあるもので、2000円ほどで購入しました(中国のメーカーが日本でも売っている物のようで、AliExpressではもう少し安いです)。
クランプ部は幅を測定してみると37mmとなっており、多少の余裕をみると36mm程度の幅のレールに対応できそうです。
クランプネジの先端には樹脂が付いていますが、取り外し可能で、幅一杯のレールに対応できます。
これをガイド鏡のレールに取り付けてみると、鏡筒からPCへの接続は1本のUSBケーブルに集約することができて、このほかには赤道儀のハンドコントローラとPC間で1本(USB)、鏡筒と赤道儀間はST-4互換のモジュラーケーブル1本という接続にできます。
APTを使い始めたところ、デジタル一眼の制御にもUSBケーブルが必要になり、ガイドカメラなど、USBで接続するものが増えてしまっていたので大変重宝するところです。
(なお、ST-4ガイドケーブルの中継は、6極6芯ストレートのモジュラージャック中継器(80円)をガイド鏡のベースに屋外用の強力両面テープで貼り付けることにしました。)
このようにして、USBやガイドケーブルの中継器(ハブ等)を鏡筒側に固定しておくと、万が一ケーブルが何かに引っ張られることがあっても、中継器が身代わりとなって壊れてくれたり、そこでケーブルが抜けてくれることも期待できます。
■ デジタル一眼の給電USB化
撮影中の電池切れは気になるところです。特にEOS kiss X5の電池は容量が7.2Vの1120mA程度しかなく、長時間露光でほったらかしにしていると、電池が切れてしまいます。
そこでケーブルの中継ついでに、デジタル一眼(EOS kiss X5)への給電もUSB化を果たしてしまいました。電池交換とはオサラバです(特に庭撮りでは)。
購入したのは、電源カプラDR-E8相当品とUSB接続の電圧コンバータのセットで、2,000円ほどでした。
こうした給電ケーブルも、前出のUSBハブから電源をとれますから、ケーブルの取り回しが煩雑になることがありません。
ケーブル問題も、USBハブが鏡筒側に固定されたことで、ずいぶんと扱いがラクになったような気がします。
※USBハブ自体には、別途給電用にACアダプタをつなげています。
※※デジタル一眼(DSLR)へのUSBからの給電では、カメラや電圧コンバータの相性によっては給電が不安定になる可能性があるとのご指摘をいただきました。特に、液晶でライブで確認した状態からのシャッター動作などで、一時的に電流供給能力が不足する場合があるようです。(私の組み合わせでは運良く不安定は生じていません)
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いずれにせよ、こうしたケーブル取り回し関係の整理で、ようやく人並みな撮影環境が構築されつつあるのでありました。
デジタルのおかげで
お気楽撮影ができるようになってきました
※APT+PHD2でガイドして撮ったモンキー星雲
SE200N CR + EOS kiss X5, 自宅庭にて
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天体撮影時のケーブル類は、追尾に伴う姿勢変化や風で揺れたりしてガイド失敗の原因にもなるということで、これまでも鏡筒に固定した中継BOXを介して接続してきました。
しかし、PHD2やAPTの導入で必要なケーブル種も数も変わってしまったため、新たな対策が求められることになったのでした。
※ケーブルに関しては、赤道儀に引っかかって事故を起こすという体験記を拝見するにつけ、対策してるつもりの自分も全然他人事じゃないなという思いを強くしたのであります。
■ クランプで固定できるUSBハブ
バーにクランプ出来るUSBハブ 幅36mmまでのバーに対応可です。 (クランプネジの先端キャップは外せます) |
クランプ部は幅を測定してみると37mmとなっており、多少の余裕をみると36mm程度の幅のレールに対応できそうです。
クランプネジの先端には樹脂が付いていますが、取り外し可能で、幅一杯のレールに対応できます。
これをガイド鏡のレールに取り付けてみると、鏡筒からPCへの接続は1本のUSBケーブルに集約することができて、このほかには赤道儀のハンドコントローラとPC間で1本(USB)、鏡筒と赤道儀間はST-4互換のモジュラーケーブル1本という接続にできます。
APTを使い始めたところ、デジタル一眼の制御にもUSBケーブルが必要になり、ガイドカメラなど、USBで接続するものが増えてしまっていたので大変重宝するところです。
(なお、ST-4ガイドケーブルの中継は、6極6芯ストレートのモジュラージャック中継器(80円)をガイド鏡のベースに屋外用の強力両面テープで貼り付けることにしました。)
ガイド鏡のベースに固定したUSB hub とガイドケーブル中継器 |
■ デジタル一眼の給電USB化
DSLR用の電源カプラ |
そこでケーブルの中継ついでに、デジタル一眼(EOS kiss X5)への給電もUSB化を果たしてしまいました。電池交換とはオサラバです(特に庭撮りでは)。
購入したのは、電源カプラDR-E8相当品とUSB接続の電圧コンバータのセットで、2,000円ほどでした。
カメラからのケーブルも まとめることが出来ました |
こうした給電ケーブルも、前出のUSBハブから電源をとれますから、ケーブルの取り回しが煩雑になることがありません。
ケーブル問題も、USBハブが鏡筒側に固定されたことで、ずいぶんと扱いがラクになったような気がします。
※USBハブ自体には、別途給電用にACアダプタをつなげています。
※※デジタル一眼(DSLR)へのUSBからの給電では、カメラや電圧コンバータの相性によっては給電が不安定になる可能性があるとのご指摘をいただきました。特に、液晶でライブで確認した状態からのシャッター動作などで、一時的に電流供給能力が不足する場合があるようです。(私の組み合わせでは運良く不安定は生じていません)
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いずれにせよ、こうしたケーブル取り回し関係の整理で、ようやく人並みな撮影環境が構築されつつあるのでありました。
コメント
このUSBハブの取付方法は、複雑な配線の解消に良さそうですね。
最近、セルフパワーのUSBハブを買いましたが、裏面粘着のマジックテープを貼れば固定できそうですね。試してみます。
私もデジタル一眼には電源カプラーを使ってます。シャッター動作時に大きな電流(3アンペア位?)を使うようなので、携帯用の大容量モバイルバッテリー2本を使ったのですがアンペアが足りなかったようでシャッター動作途中で止まってフリーズ状態になりました。
今はバッテリーは諦めてUSB電源ソケットを使っています。
近頃はなんでもUSB接続になってしまって、パソコンのポートだけでは足りなくなってしまいました。
デジタル一眼のシャッターはだいぶ電気を食うようですね。本当は、ここは別のACアダプタで給電するのが良いのかもしれませんが、今のところうまく動いているので、そのままUSBで使っちゃってます。、
外部からのEOS KissX5電源供給ですが、電圧をバッテリー公称値より高めにした方が安定するようです。ウチでは8.1V(確か、昔どこだったかのブログか何かで見た情報です)に設定して安定稼働しています。もし電圧がコンバータの調節範囲内であれば、この前後の電圧でお試しください。
https://hpn.hatenablog.com/entry/20170212/1486900798
そうですね。USB3.0のケーブルは太くて硬いですね。
惑星用途では直焦点と違って帯域も必要でしょうから、安易に安いハブで中継するのも躊躇してしまうところです。
現状ではリピーターを使うくらいしか対策が思い当たりません。
電源は、カメラ内部にレギュレータが入っていることを考えると、若干電圧高めが安定傾向なのだろうと思います。
現時点では問題が起きていないので放置ではありますが、カメラとの相性はありそうです。
不安定になるのは瞬間的な電圧降下のせいだとすると、カメラの入力段にコンデンサをかまして対応するのも一手か、とも思っております。
(Twitterでもそのようなご意見を頂いております)