久々のガイド撮影/NexGuide真夏の罠(M17)

 先週末は機会に恵まれたのですが、撮影開始時間が予定より大幅に遅くなってしまって、オートガイドに任せた後でAZ-GTi+150SLであれこれ眺めている間に対象は庭の柵の向こうに。撮影した写真の半分以上が柵を撮っていたというオマヌケな結果でした。
 一ヵ月半ぶりの撮影なので、機材の使い方をすっかり忘れ腐っていて段取りに手間取ったりとか、この前の週末はシーイングが割とよくて撮影の前に木星や土星を眺め始めたら止まらなくなってしまって時間が過ぎてしまった、とか、敗因の言い訳はいくつかあります。
 また、初めての真夏の撮影ということもあって、機材の使い方にも要注意なポイントがあり、初心者向け地雷を再び踏んだのでした。
 一つはオートガイダーのノイズで、もう一つは赤道儀のバックラッシュ量の変化です。

M17星雲(トリミング), 20cm/F5反射, Skywatcherコマコレクター,
Astronomik UHC-XTフィルター,EOS kiss X5改, ISO800, 8分露光×5枚
Advanced GT赤道儀 + NexGuideオートガイダー
(柵ばかり撮っていて枚数が稼げてませんでした…。)

■ オートガイダーのノイズ
 今回踏み抜いた地雷は、ガイドカメラのノイズでした。ここは感度がイマイチ足りない (new)NexGuideオートガイダーではけっこうクリティカルなポイントだったようです。これまでノーケアでした。
 症状としては、液晶画面に映るはずのガイド星が見えず、真っ白なモニター画面(二値)の上方に黒い太い線だけが見える、という状況です。どうやらこのカメラはノイズが多すぎると判断すると画面への出力を途中で諦めて真っ白表示にするという謎仕様のようです。
 露出時間を上げるとますます真っ白になり、露出時間を短縮すると今度はノイズで真っ黒という状況です。すぐに気温のせいでノイズが激しくなりすぎたのだと気付くわけです。

■ NexGuide の「Noise」設定
 今さらこのオートガイダーの情報が必要な人は多くないとは思いますが、エコノミー機材ブログとしては一応書いておきたいと思います。
 NexGuideのメニューには「Noise」という項目があるのですが、残念ながらマニュアルには相変わらず大した記述はありません。「値を1から徐々に大きくしていくと、そのうち画面が黒くなるから一番クリアなところを探してネ」くらいな感じです。
 試行錯誤してみると、どうやら次のようなことがこの NexGuide のポイントであるようです。

 ・「Noise」で設定する値は、ノイズとしてカットする閾値。
 ・露光時間ごとに個別のNoise値を設定可能。
 ・ノイズが写りすぎると画面は白。
 ・+キーで値を上げていくと、最初はだいぶ真っ黒な画面に。
 ・もう少し値を上げていくと、ノイズが減って星らしきものが見えてくる。
 (画面としては、真っ白→真っ黒→「適切」→真っ白と変化していく)

 これを露光時間と併せて適切に設定してやると、うまくガイド星を捉えられるようです。

■ 赤道儀のバックラッシュ
 温度がこんなところにまで効くとは思っていませんでした。私の Advanced GT は赤緯軸の大きいバックラッシュをアンチバックラッシュ機能で非常に小さいところまで詰めて使っていて、寸止め設定にしていたのですが、温度が上がってギヤ間の材質の違いで膨張の具合が違うせいか、アンチバックラッシュで数秒角くらい星が動いてしまう状態になっていました(スキマは広がりそうな筈なのに、どのギヤがどう接触したのか、ナゾです)。
 そういうわけで、アンチバックラッシュの設定値を少し小さめに設定しなおす必要が生じました。
 冬には忘れずに戻さないと、原因不明のガイドエラーになりそうです。覚えとかなきゃ…。

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そういうわけで、久しぶりのガイド撮影は失敗に終わったのでありますが、たまの週末に観望しつつ、撮影しつつというのはなかなか楽しい贅沢な趣味ではあります。引き続き良い天候を祈りたいところです。

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