自動導入経緯台 AZ-GTi は実にお気楽な経緯台で、まさに当ブログの趣旨に合致したゆるーい機材として、お気に入りです。これで天体を自動導入しながら眺めてゆくのは本当に楽しいです。
しかしその一方で、手持ちのミザール150SL を搭載すると、剛性不足がどうにも気になってきます。導入した天体がフラフラと視野の中で揺れる振動を、なんとかもう一歩抑えたいところです。
今回はちょっと動きが渋めでしかも若干グラつく水平軸回りの分解&改良です。どうもSkywatcher社(南通シュミット社)の機構関係の設計はメカ屋的にはクエスチョンな感じで、AZ-GTiの全体コンセプトが素晴らしいのとは対照的です。
結論として、内部の癌を取り除いて部品を交換したところ、水平粗動のフリーストップ動作と水平軸周りを起点とする振動は大幅に改善しました。
※当記事は分解、改造、過積載を推奨するものではありません。あくまでも個人の体験記としてご覧ください。
■ 搭載状況
AZ-GTiの剛性に課題ありと言っても、その搭載可能重量5kgに対して15cm/F5ニュートンは鏡筒バンド込みで6.6kgですから、重量オーバーもいいところです。
さらにウェイトシャフトとウェイト1.9kg をつけて、トータル9kg近い重量を搭載しているのですから、使い方が間違っているという指摘はその通りです。
差し当たっての剛性対策としては、三脚架台を高剛性の令和式に換装したところではありました。三脚架台の揺動は自動導入の再現性にも影響がありましたので、ここの対策は重めの鏡筒にとっては大切でした。三脚架台の対策で大きな揺れはだいぶ収まり、自動導入の再現性に問題はなくなりました。
一方で、まだ気になる振動は残っており、高倍率で惑星を観察する際のピント合わせには気を使います。そこで、一体揺れの根源はどこにあるのかを、分解して探ってみました。
※以下の分解・改造記事はあくまでも体験記です。同様の試みの結果を保証するものではありません。
■ 分解で見えたAZ-GTiの癌
さて、図は分解したAZ-GTiの水平軸周りの構造模式図です。この3万円ほどの自動導入経緯台にして、水平軸に3つものベアリングを内蔵する大盤振る舞いな構造になっています。
図の灰色部分は三脚に固定される水平軸で、ここは回転しない固定部品です。この固定された水平軸にエンコーダホイールがネジ止めで固定されています。
エンコーダは、昔のボール式マウス用のやつを巨大化させた構造です。プラスチック製の櫛状の隙間がたくさん切ってあるホイールと、LEDとフォトダイオードの対からなる光学センサによる読み取りで構成されてます。
青い部分が、鏡筒が搭載される筐体(架台本体)です。この架台本体にウォームネジやエンコーダのセンサが固定されています。
クランプは、テーパー状の窪みがついたクランプリングを締めて、セットになっているテーパーリングを押し上げる方式です。クランプを閉めるとテーパーリングがせり上がり、水平軸全体を押し上げるようになります。
このときクランプ自体は架台本体側に固定されていますので、図中最上部のスラストベアリングによってクランプと水平軸の間が滑るようになっています。つまり、このベアリングはクランプ力を支えるものであって、鏡筒の荷重は支えていません。
(なお、クランプでセンサーも一緒に固定されるようになっていますが、意味不明です。最初から青い筐体にしっかり固定しておけばいい話だとは思います。クランプセンサーは青い筐体には仮止めされていて、クランプで完全固定される構造なのですが、これではおそらく粗動とクランプを繰り返すと位置精度が怪しくなります。)
水平軸が押し上がると、ゴムシートを介してウォームホイールが水平軸に押し付けられ、ウォームホイールは水平軸と一体化します。この動作によってクランプができるという仕掛けです。
ウォームホイールの内側に設置されたスラストベアリングは、クランプによる押し付け力があっても回転ができるように架台本体との間でクランプの押し付け力を支えています。つまり、この大きいスラストベアリングも鏡筒の荷重を支えてはいません。
なお、ウオームホイール内側のラジアルボールベアリングは、赤道儀モードで使う際の赤経のラジアル荷重はここが支えます(微動時にはギヤと水平軸は固定されているので関係ありません※誤りでした)が、経緯台として使う上では荷重を全く支えておりません。
以上のように、コストと重量を費やして水平軸だけで3個ものベアリングを奢っているにもかかわらず、一つとして鏡筒の重量を支えていない設計には疑問を抱かざるを得ません。
ではどこで荷重を支えているのかというと、それは一枚のゴムシートです。クランプが緩んだ状態では、このゴムシートと筐体の金属面が摺動して粗動を行っていることになります。
水平粗動が渋いのはこれが根本原因です。
ゴムシートが全荷重を受けて摺動するという小学生の工作ばりにダサい構造な上に、クランプ時の固定を気にしたのか油も塗られていませんので、そりゃ渋いはずです。やがて使っているうちに摩耗してしまいかねない癌だとも言えます。
更に、クランプをいくら締め付けても、軸とウオームホイールの間はゴムシートを介した固定なので、揺れは止まりません。
もうちょっと、賢く安く高剛性とスムース動作を実現する設計は可能だと思うのですが、AZ-GTiはベアリングを無駄に使ったナゾ設計と言わざるを得ません。
■ 水平スムース&高剛性化
上述のように、ゴムシートがいろいろと癌だったわけです。問題点が分かれば、組み立てる前に改良です。開腹したままホームセンターで材料を調達して、手術しました。
改良作戦は、ゴムシートを硬質のプラスチックに換え、グリスを塗るというシンプルなものです。材料の剛性(弾性係数)を上げた分だけ、ここを起点とした振動を抑えることが出来ます。本当は剛性の高い金属製が良いのですが、加工が面倒くさいので今回はパスです。
ゴムシートのサイズは外径φ65、内径φ50、厚さ1mm でした。1mmのプラスチック板を買ってきてサークルカッターで切り抜いて、加工バリを取り除いたら部品完成です。
※後の祭りですが、0.5mmのものを2枚使った方が良いような気がします。筐体の表面があまりきれいでなく、僅かに摺動のガサガサ感が残るためです。2枚にすれば、そこの間の滑りが良くなってよりスムースになることが期待できます。
さて、この改造の結果はなかなか素晴らしいものがありました。まず、水平粗動のスムース感がバッチリいい具合です。クランプを締めれば、十分に固定されてくれます(もともとそんなにすごいトルクで固定する意味はない)。
そして、剛性の向上も目を見張るものがありました。特に、高倍率でのピント合わせの時に生じる振動が減り、収まりも早くなりました。15cm F5にXO2.5mmをつけての300倍での観察も、全く苦しくありません。
抜群のフリーダム感です。
※繰り返しになりますが上記はあくまでも体験記です。分解・改造を推奨するものではありません。
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やはり、お気楽観望にこそ、快適な高剛性マウントがいいですね。
AZ-GTiは自動導入+エンコーダによるフリーストップ動作といったコンセプトに光るものがあり、ここにスムースさと剛性が加わったことで気持ちよさ倍増です。
(余談)
分解していて、AZ-GTi の機構はミザールRV-85赤道儀に似ている感じがしました。固定された軸、回転する筐体、そこに内蔵する安いフォトダイオードエンコーダ…。うーむ、私が昔やろうとしていたことがパッケージされてる感じに懐かしさを覚えました。
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※2019.8.20修正: 分解時の写真を眺めていたら模式図に誤りが見つかりましたので、修正しました。これに伴い、ラジアルベアリングについての記載を修正しています。(赤経微動時にはギヤと軸とベアリングが一体となるので「ベアリングは無関係」としていましたが、これは誤りでした。)
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※2019.8.21追記;
蛇足ですが、AZ-GTiのような経緯台の水平軸は本来こうあるべきじゃないかと思われる構成図を描いてみました。スラストベアリングは粗微動双方で動きのスムースさに貢献すべきですし、余計な部品は削除して単純化するのがいいと思うわけです。
AZ-GTiの設計が怪しげな方向性に行ってしまったのは、クランプノブの位置のせいではなかったかと思います。鏡筒と図中の青部品(筐体)と共に、クランプノブも回転できるようにした結果、複雑なクランプ機構とスムースさに寄与しないベアリングが出現したのではないかと思います。
下の妄想図は、もともとのクランプ機構をとりやめ、水平軸にリング状のネジを取り付けてクランプにするというものです。鏡筒がどの方向を向いていても、容易に締められます。また、締め加減でフリーストップの動きを調節可能です。
さらに、ラジアルベアリングの代わりに筐体と軸との滑りで荷重を受ける構成にしてもいいんじゃないか、という単純化の例です(赤道儀化した時に重量級鏡筒を載せるのでなければ問題ないと思う)。
ま、金型からの話になってしまうのですぐには実現できないわけですが、もしもAZ-GTi2みたいのを出す機会があるときには、メカ周りの設計も再考して欲しいものだと思います。
しかしその一方で、手持ちのミザール150SL を搭載すると、剛性不足がどうにも気になってきます。導入した天体がフラフラと視野の中で揺れる振動を、なんとかもう一歩抑えたいところです。
今回はちょっと動きが渋めでしかも若干グラつく水平軸回りの分解&改良です。どうもSkywatcher社(南通シュミット社)の機構関係の設計はメカ屋的にはクエスチョンな感じで、AZ-GTiの全体コンセプトが素晴らしいのとは対照的です。
結論として、内部の癌を取り除いて部品を交換したところ、水平粗動のフリーストップ動作と水平軸周りを起点とする振動は大幅に改善しました。
※当記事は分解、改造、過積載を推奨するものではありません。あくまでも個人の体験記としてご覧ください。
分解した AZ-GTi の水平軸 |
■ 搭載状況
AZ-GTiの剛性に課題ありと言っても、その搭載可能重量5kgに対して15cm/F5ニュートンは鏡筒バンド込みで6.6kgですから、重量オーバーもいいところです。
さらにウェイトシャフトとウェイト1.9kg をつけて、トータル9kg近い重量を搭載しているのですから、使い方が間違っているという指摘はその通りです。
差し当たっての剛性対策としては、三脚架台を高剛性の令和式に換装したところではありました。三脚架台の揺動は自動導入の再現性にも影響がありましたので、ここの対策は重めの鏡筒にとっては大切でした。三脚架台の対策で大きな揺れはだいぶ収まり、自動導入の再現性に問題はなくなりました。
一方で、まだ気になる振動は残っており、高倍率で惑星を観察する際のピント合わせには気を使います。そこで、一体揺れの根源はどこにあるのかを、分解して探ってみました。
※以下の分解・改造記事はあくまでも体験記です。同様の試みの結果を保証するものではありません。
■ 分解で見えたAZ-GTiの癌
さて、図は分解したAZ-GTiの水平軸周りの構造模式図です。この3万円ほどの自動導入経緯台にして、水平軸に3つものベアリングを内蔵する大盤振る舞いな構造になっています。
AZ-GTi の水平軸周辺の断面模式図
(注: 部品のサイズや形状は実際のものではありません)
※構造の認識に誤りがありましたので修正しました。
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図の灰色部分は三脚に固定される水平軸で、ここは回転しない固定部品です。この固定された水平軸にエンコーダホイールがネジ止めで固定されています。
エンコーダは、昔のボール式マウス用のやつを巨大化させた構造です。プラスチック製の櫛状の隙間がたくさん切ってあるホイールと、LEDとフォトダイオードの対からなる光学センサによる読み取りで構成されてます。
青い部分が、鏡筒が搭載される筐体(架台本体)です。この架台本体にウォームネジやエンコーダのセンサが固定されています。
クランプは、テーパー状の窪みがついたクランプリングを締めて、セットになっているテーパーリングを押し上げる方式です。クランプを閉めるとテーパーリングがせり上がり、水平軸全体を押し上げるようになります。
このときクランプ自体は架台本体側に固定されていますので、図中最上部のスラストベアリングによってクランプと水平軸の間が滑るようになっています。つまり、このベアリングはクランプ力を支えるものであって、鏡筒の荷重は支えていません。
(なお、クランプでセンサーも一緒に固定されるようになっていますが、意味不明です。最初から青い筐体にしっかり固定しておけばいい話だとは思います。クランプセンサーは青い筐体には仮止めされていて、クランプで完全固定される構造なのですが、これではおそらく粗動とクランプを繰り返すと位置精度が怪しくなります。)
水平軸が押し上がると、ゴムシートを介してウォームホイールが水平軸に押し付けられ、ウォームホイールは水平軸と一体化します。この動作によってクランプができるという仕掛けです。
ウォームホイールの内側に設置されたスラストベアリングは、クランプによる押し付け力があっても回転ができるように架台本体との間でクランプの押し付け力を支えています。つまり、この大きいスラストベアリングも鏡筒の荷重を支えてはいません。
なお、ウオームホイール内側のラジアルボールベアリングは、赤道儀モードで使う際の赤経のラジアル荷重はここが支えます(
以上のように、コストと重量を費やして水平軸だけで3個ものベアリングを奢っているにもかかわらず、一つとして鏡筒の重量を支えていない設計には疑問を抱かざるを得ません。
ではどこで荷重を支えているのかというと、それは一枚のゴムシートです。クランプが緩んだ状態では、このゴムシートと筐体の金属面が摺動して粗動を行っていることになります。
水平粗動が渋いのはこれが根本原因です。
ゴムシートが全荷重を受けて摺動するという小学生の工作ばりにダサい構造な上に、クランプ時の固定を気にしたのか油も塗られていませんので、そりゃ渋いはずです。やがて使っているうちに摩耗してしまいかねない癌だとも言えます。
更に、クランプをいくら締め付けても、軸とウオームホイールの間はゴムシートを介した固定なので、揺れは止まりません。
もうちょっと、賢く安く高剛性とスムース動作を実現する設計は可能だと思うのですが、AZ-GTiはベアリングを無駄に使ったナゾ設計と言わざるを得ません。
AZ-GTi の全荷重を支えるゴムリングと対策品 |
■ 水平スムース&高剛性化
上述のように、ゴムシートがいろいろと癌だったわけです。問題点が分かれば、組み立てる前に改良です。開腹したままホームセンターで材料を調達して、手術しました。
改良作戦は、ゴムシートを硬質のプラスチックに換え、グリスを塗るというシンプルなものです。材料の剛性(弾性係数)を上げた分だけ、ここを起点とした振動を抑えることが出来ます。本当は剛性の高い金属製が良いのですが、加工が面倒くさいので今回はパスです。
ゴムシートのサイズは外径φ65、内径φ50、厚さ1mm でした。1mmのプラスチック板を買ってきてサークルカッターで切り抜いて、加工バリを取り除いたら部品完成です。
※後の祭りですが、0.5mmのものを2枚使った方が良いような気がします。筐体の表面があまりきれいでなく、僅かに摺動のガサガサ感が残るためです。2枚にすれば、そこの間の滑りが良くなってよりスムースになることが期待できます。
さて、この改造の結果はなかなか素晴らしいものがありました。まず、水平粗動のスムース感がバッチリいい具合です。クランプを締めれば、十分に固定されてくれます(もともとそんなにすごいトルクで固定する意味はない)。
そして、剛性の向上も目を見張るものがありました。特に、高倍率でのピント合わせの時に生じる振動が減り、収まりも早くなりました。15cm F5にXO2.5mmをつけての300倍での観察も、全く苦しくありません。
抜群のフリーダム感です。
※繰り返しになりますが上記はあくまでも体験記です。分解・改造を推奨するものではありません。
---
やはり、お気楽観望にこそ、快適な高剛性マウントがいいですね。
AZ-GTiは自動導入+エンコーダによるフリーストップ動作といったコンセプトに光るものがあり、ここにスムースさと剛性が加わったことで気持ちよさ倍増です。
(余談)
分解していて、AZ-GTi の機構はミザールRV-85赤道儀に似ている感じがしました。固定された軸、回転する筐体、そこに内蔵する安いフォトダイオードエンコーダ…。うーむ、私が昔やろうとしていたことがパッケージされてる感じに懐かしさを覚えました。
---
※2019.8.20修正: 分解時の写真を眺めていたら模式図に誤りが見つかりましたので、修正しました。これに伴い、ラジアルベアリングについての記載を修正しています。(赤経微動時にはギヤと軸とベアリングが一体となるので「ベアリングは無関係」としていましたが、これは誤りでした。)
-------
※2019.8.21追記;
蛇足ですが、AZ-GTiのような経緯台の水平軸は本来こうあるべきじゃないかと思われる構成図を描いてみました。スラストベアリングは粗微動双方で動きのスムースさに貢献すべきですし、余計な部品は削除して単純化するのがいいと思うわけです。
AZ-GTiの設計が怪しげな方向性に行ってしまったのは、クランプノブの位置のせいではなかったかと思います。鏡筒と図中の青部品(筐体)と共に、クランプノブも回転できるようにした結果、複雑なクランプ機構とスムースさに寄与しないベアリングが出現したのではないかと思います。
下の妄想図は、もともとのクランプ機構をとりやめ、水平軸にリング状のネジを取り付けてクランプにするというものです。鏡筒がどの方向を向いていても、容易に締められます。また、締め加減でフリーストップの動きを調節可能です。
さらに、ラジアルベアリングの代わりに筐体と軸との滑りで荷重を受ける構成にしてもいいんじゃないか、という単純化の例です(赤道儀化した時に重量級鏡筒を載せるのでなければ問題ないと思う)。
ま、金型からの話になってしまうのですぐには実現できないわけですが、もしもAZ-GTi2みたいのを出す機会があるときには、メカ周りの設計も再考して欲しいものだと思います。
「こうだったらいいのにねぇ」のAZ-GTi の水平軸妄想図 |
コメント
大人気のAZ-GTiの改造ネタ、大変興味深く拝見しました。
多機能且つコストパフォーマンスに優れているので、流行るのにも頷けます。
剛性UPの手術ということで、一瞬身構えましたが、ゴムシート交換だけで剛性UPが出来るとなると、改造の定番メニュー化するかもしれませんね。
令和式架台と併せて、ノーマルとは大きく進化してそうでワクワクします^^
私はそれほど重いものを載せないので困っていないのですが、改造すれば耐荷重を増やせそうということを示してくれていて、更にAZ-GTiの可能性を広げてくれています。
ホントにAZ-GTiって値段といい、赤道儀化もそうですが、いじって遊べそうなところといい、まだまだ可能性がありそうです。
ベアリング三つというのも今回初めて知りましたが、エンコーダーもそうですし、この値段で作るには贅沢な選択ですよね。これらの活用も今後いろいろアイデアが出そうで、期待しています。
この架台、ほんとにコスパが凄いですね。
コストダウンの余地がまだまだありそうだというのも驚異的です。
私にできる改造はホントしょぼい話しかないのですが、しょぼい工夫でパフォーマンスアップできるのは楽しいです。
赤道儀化など、いろいろな工夫で進化していくこの架台、ワクワクできる素材としても、ゆるーく眺めるための機材としても、とてもナイスです ^^b
AZ-GTiは、工夫のしどころ満載で面白い架台です。この値段だからこそ、躊躇なくバラせるという側面もあります。
赤道儀化も、かなり実用になる性能ですよね。
私は今のところ赤道儀化は見送っているのですが、Samさんのブログを見てちょっと面白そう、とか思っちゃってます。
今回の水平(赤経)軸が渋い件、ネットでも多少みかけますから、粗動を使いたい人にとっては大切かもしれません。
私の場合、最初に使った日に、「(軸の方が渋すぎて粗動で動かすと)ハーフピラーの取り付け部のネジが緩んじゃう」というところから問題意識を感じていました。
メーカーサイドも、もうちょっと考えてほしいな~、なんて思ったりもしています。
いずれにせよ、せっかくの凄いコンセプトの架台ですから、煮詰めたらまだまだ色々凄い世界があるかも、なんて思っております。
何だか段々とターボが効いてきた感じですね。
うーん、この記事も素晴らしい。
何だかAZ-GTi改造ブームのトリガーになるような記事ですね。
AZ-GTiのメカをコアとして、どんどん強化・改造カスタマイズされて行くような気が。
手持ちのGP赤道儀は早めに処分して、AZ-GTi購入資金に充てよう。
AZ-GTiは、私が購入するより以前から、赤道儀化をはじめとして、多くの方がカスタマイズを実践されている名機予備軍かな、と思ってます。
特に、観「望」でのお気楽度合いは群を抜いていて、面倒くさがりの私にピッタリでした。
メカ部分の改良の方向性は、まだ残されているようにも思われます。
なんていうか、昭和の頃の日本の製品を見ているようなワクワクがあるな、と思ってます。
私は赤道儀モードで使っていますが、剛性は気になっていました。
分解したところ、それ以前にベアリングに与圧を与えるナット(カニ目で締めて、ヘキサでロックするやつです)が、ゆるゆるでした。ちょっと締めただけで、大幅に改善したので、満足していました。
でも、もう一歩改善できそうですね。やってみます。ありがとうございました。
既に分解をトライされていたのですね。
やっぱり、剛性などもろもろ、気になるところかと思います。
ご指摘のナット、私のものはすこしキツめに締まっていました。
ナットの締め付けは、動きの渋さと剛性感のトレードオフのように思えました。
締めてもゴムなので、限界があるなあ、というところでした。
※くれぐれも、分解はお気を付けください。
※※私の図に、少々誤りがあることに気付いてしまいました。内容に変化はありませんが、修正予定です。
ラジアルベアリングの外輪のはめ合いと内輪のはめ合いは確認されましたか?
またラジアルベアリングの止めのための段差は無かったですが?
普通はこういう構造ではラジアルベアリングの与圧を加えガタをとり精密な主軸回転が
できるようにしますが、おおむねその通りになっていると思います。
クランプが効いていればスラスト軸受とラジアル軸受の両方で回転側の荷重を分担して
ぶれも押さえる工夫のあとがうかがえる構造だと思います。フリーのときは記事の通りですね
実はラジアルベアリングのはめ合いはよく確認しておりませんでした。
筐体からは簡単に外れましたから、外輪はスカスカのすき間でありました。
内輪は外していないので不明です。
筐体側の穴は段差のないストレートでスカスカでしたので、外輪との間でスラスト与圧を与えるような構造にはなっていなかったとは思います。
いずれにしても、クランプを完全に締め付けても、件のゴムシートの変形によってグラグラする状態になってしまっていましたので、ウォームホイールと回転軸の固定状態が今一つだなあ、という感想です。
ここが、せめてクランプ締め付けでウォームホイールと回転軸が金属同士で密着する構造であれば、ご指摘の通り、モーメントをうまく受け持つことができてブレも抑えられるようになっていたと思います。
※じつは垂直軸も分解してみたのですが、こちらもなかなか疑問の多い構造ではありました。。。
ゴムシートはクランプリングをリリースする際に反力を得るための部材が予防措置と設計者は考えていたのではないかと思います。しかしながらラジアルベアリングの位置決めやクランプリング、シャフトの寸法精度確保がままならずこのような品になってしまったのでしょう。私ならラジアルベアリングの外輪を上に押し上げるねじ込みリングを加工して設けると思います。ゴムシートは硬くない物を選びPOMの薄いリングで挟んでおくくらいでしょうか。でも調整範囲がごく狭い範囲になるのでよほど加工精度に自信がないとやらないですね。垂直軸の記事も読みましたが、公言するのであれば機械工学の専門書をお読みになったほうがいいと思います。玉が無ければベアリングで無いというのは全くの誤りです。
超高精度のベアリングや高負荷の部分などはいわゆるメタルで支えるベアリングがたくさんありますよ。車のエンジンのカムシャフトのベアリングやクランクシャフトなどもメタル受けが普通です。そのほうが精度も耐久性もいいのです。玉入ベアリング崇拝は誤った情報を初心者に与えベアリング数で宣伝する不謹慎なメーカーを利するだけと思います。
しかしながら自腹で解体して情報を発信していただけるのはとても良いことなのでさらに深く考察した記事をどんどんお願いします。
ゴムシートをどのような思想で入れたのか、は、想像するしかない世界ですね。クランプがメタル同士の接触で行われる設計なら理解できるのですが、そういう寸法には全然なっていないようで、ゴムだけで接触しているのが問題でありました。
ご指摘のように寸法精度が足りなくて、全てをゴムに任せてるという感じにも見受けられました。このようなクランプ機構できちんとメタルが当たるようにしようとすると、寸法がかなりシビアになるというのは全く同意見です。
#ベアリングの件、ご指摘はまったくごもっともです。注意していたつもりでしたが、つい転がり軸受=ベアリングであるかのような誤用表現になっておりました。ベアリング=軸受であるとのご指摘はその通りです。
なお、どのような種類の軸受を選定するかは使用される条件と求める特性によって変わってくるもので、一概に決まらないという認識です。
なお、私自身は転がり軸受に対する崇拝はないつもりですが、この手の望遠鏡ではコストを費やした部品との認識です。
設計者は水平軸の不織布リングのはまっているφ50のリング状の出っ張りが直接ウォームホイールを押し付け固定するつもりだったのではないかと
不織布は隙間を作るためのバネとしての機能で固定のつもりはなかったと
しかし実際にはそのリングは絵と違ってウォームホイールを貫通しているので
固定できなくて仕方なく不織布で固定したのではないかと
思いました
特に水平軸のリングの上面が意味も無く切削加工されているので
そう思いました
不織布リング(記事中ではゴムシートと記載してしまいましたが、こちらの方が正確ですね)の件、私も、リングのでっぱりで金属同士が接触するような設計だったのかも?という気は一瞬してはいました。
(図のこの辺りの描写は正確でなかったかもしれません)
そういう設計になっていれば、少なくとも固定した状態では剛性が確保できますから、色々な意味で良かったのではないかとも思います。
AZ-GTiはどんなところが問題なのか検索していたらLambdaさんの記事(とても参考になりました)に出会いました。
スムーズな回転と剛性の両立は大事なところですが、せめて剛性がアップできるだけでもいいですね。
ところで、交換したプラリングは厚みが1㎜とのことでしたが、厚みが2倍(2㎜)になると何か不具合はありそうですか?
AZ-GTiは応用範囲が広くて楽しい大変良くできた架台だと思います。
過積載や改造をせずに使うのが基本だとは思いますが、クランプフリーでの渋さと剛性にはちょっと悩まされました。
この記事にあるようなリング交換は効きますが、赤道儀化して使う場合などにはクランプ力が減って問題がある場合もあるようです。
さて、ご質問にある厚さ2mmのプラリングですが、分解から2年が経ってしまって、正直なところ問題が起きるかどうかがちょっとあやふやです。
当時の私の記憶と図によれば、あまり問題は起きなさそうに見えますが、主軸のベアリングがどういう支持だったのかが思い出せず、ハッキリしたことがいえません。(すみません)。
厚さ2mmのリングは製作も容易ではないのではないかと思います。
只の金属リングでは滑りが足りないので、金属リングの表面に「潤滑テフロンシート」を焼き付けた「スラストワッシャー/2㎜厚」が使えないかと思ってお聞きしました。
サイズが合えば無給油でも滑らかな回転が得られそうです。
AZ-GTiを購入することがあったら試してみようかと思います
AZ-GTiの中の金属はけっこう表面が粗いので、いろいろ試してみるの価値はありそうです。
(もちろん改造は非推奨ですが)
確かに、金属リングそのままでは引っ掛かってしまいますね。