もう年末ですね。昨年、鏡筒や赤道儀を落札できてしまって、三十年ぶりに夜空を眺めるようになってからちょうど1年ほどが経ちました。その後こちらのブログを書き始めたのは年が明けた2019年1月末のことでした。
そしてこの記事がちょうど100号に当たるということで、この一年を振り返ってみたいと思います。思い返せば、うまくいったことよりも反省の方が多い怠惰な一年を過ごしてしまいましたが、匍匐前進はしていると思いたいところです。
また、この振り返りを通じて不人気であまり読まれなかった記事などにもスポットライトを当ててみたいと思います。記事の最後には個人的にスポットライトを当てたいランキングを添えました。最も読まれなかった記事は、天文ネタとは無関係の隠しページ的扱いになっていたことも手伝って、公開から半年で私自身のアクセスも含めて僅か10回アクセスがあったのみというレアページとなっておりました。
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さて、そういえばこの12月には、かつて私を星見の深みに誘ってくれた「ミザール」の聖地(?)への訪問も叶い、レアアイテム「パーツカタログ」を入手出来たことや、かつて私に誠報社のセールでクーデシステムを売って下さったその方にお目にかかってご挨拶できたのはこの年末の慶事でした。
■ 平成31年~令和元年の振り返り
● 懺悔
懺悔の前に、ご意見や間違いのご指摘をくださったりした方々には本当に感謝です。
反省点を上げればキリがないのですが、最大の懺悔はAZ-GTiの剛性向上に関連したスペーサーの寸法誤記でした。記事はあくまでも私の体験記とはいえ、これを参考にした方がおられましたら、大変申し訳ないことでした。ちなみに、私のAZ-GTiにも誤ったサイズが嵌めこまれており、誤りは私自身がポチる段階で起きていたようです (orz)。また、赤道儀化したAZ-GTiではクランプ力のバランスが難しいという点も、課題として顕在化しました(緩すぎになった方と、未だ渋さが残る方とがおられるようです)。
次点は「蚊の対策」で、こちらは市販品「かとりん」の構造がまだまだボウフラの挙動を読み切っていないということもあり、効果が限定的でした。改良方法は見えているのですが、無精ゆえに手が付けられていません。メダカを飼うことも検討しています(冬場にほぼ全面凍結してしまうのが課題ですが)。夜中の蚊との戦闘は続きます。
第三番目は、謎の中華PLOSSLです。こちらは運よくアタリ品が来れば大変よく見えるアイピースに違いないのですが、不良品が来る確率が五分五分という事態でした。
また、高倍率アイピースは、好奇心が祟って RADIAN 4mm、TOE3.3mm、XO5mm なども入手してしまいましたが、まともにテストが出来ておりません。来年の火星でじっくり比べてみたいところです。
△残課題
写真撮影については、ほぼ全てが残課題となりました(苦笑 ^_^;;)。
結局、1年を通じて遠征たったの1回、しかも夜露で惨敗という出不精ぶりが祟っております。個人的な事情で土曜夜しか撮影のチャンスがないのと、夏場の天候不順のせい、、などと言い訳しつつ、エコノミー機材を操りながらゆるーい亀の歩みで楽しんでみたいと思います。
〇個人的な収穫
個人的な感動の筆頭は、高倍率アイピースに関するものでした。SR4mm(¥250)のせいで、2万円の中古鏡筒に使う高倍率アイピース達に似た口径のミューロンを買って軽くお釣りがくるくらいつぎ込んでしまいましたが、その中でも特に高精度な単レンズで覗いた木星・土星は世界観を変えてくれました。収差補正がどうとかいう教科書原理主義にありがちな論評とは全く別の評価軸が確かにある、ということが実感できたのは大いなる収穫でした。
また、文明の利器、自動導入を操っての様々な星雲星団を次々に眺めるのも楽しいものでした。浦島太郎な私自身は手動導入のお手軽さが大好きなのですが、市街地での自動導入も赤道儀のアライメントさえ楽にできればこちらもお気楽なのでありました。
続いて、「夜露の惨敗からの学び」もまた個人的には収穫でした。夜露は三段構えで対策しましたが、結局「一ノ段の銀巻き鏡筒」で夜露対策がほとんど完結したというのは、私にとっても驚きでした。更に、鏡筒の放射冷却は100Wの桁に達するという計算結果も驚愕でしたが、現象をみれば納得です。銀巻き鏡筒によって筒内気流が落ち着き、シーズンを通じてかつてなく惑星が良く見えたのは私にとって感動的でした。
また、令和式三脚や、剛性向上策によって150SL鏡筒に再び活躍の場を与えてくれたAZ-GTiにも感謝です。私のミザール150SLは標準精度版(RMS 1/8λ)ですが、筒内気流対策と相俟って十分よく見える鏡だということが再確認でき、自動導入・自動追尾のおかげで昔以上に楽しむことができました。
番外ですが、中華でも国内販売店でも不良品を引き当てるケースはけっこうあるというのもいい経験にはなりました。
そして、本来はなにより先に書くべきところでしたが、ブログやTwitterなどを通じて貴重なご意見やご指摘をいただいたり、様々な方の活動を目にする機会があったことは本当に大きな収穫でありました。
この現代において、ガリレオやハーシェルやメシエや国友一貫斎にも勝てる部分は、ガラスの材質や鏡の精度やセンサーの感度だとか以上に、こうした交流が広く素早く行えるようになったことではないか、との思いを新たにしたところです。
■ 2019年不人気記事3選
最後に、今年の「不人気記事」の中から、私の独断と偏見で以下の3つの記事にスポットライトを当ててみたいと思います。(必ずしもページビューが少ないという基準だけでは選定していません)
スポットライトを当てたい不人気記事 第3位~1位:
第3位:「星雲星団の戦闘力」 (282PV)
等級だけで星雲を語るのはちょっと違いますよネ、という試算でありました。9等級のM57が割とクッキリ見えるのに、6等級のM33が意外と見えない、というのが納得できました。
第2位:「ガリレオ式単眼鏡と赤道儀」(164PV)
次世代のファインダーの姿はコレだな、などと思っています。レッドドットサイトを「星座望遠鏡(2倍)」で覗くとあら不思議、超広視界暗視野照明付き正立ファインダーの一丁上がり、でありました。コレの完成形は妄想中ですが、試作時期は未定です。
第1位:「〇〇〇〇(天文無関係ゴメンナサイ)」(10PV)
騙されてクリックしてしまった方には本当に申し訳ないです。天文は関係ありません。
「このリンク先記事と同じくらいに、当ブログに書いているどの記事も取るに足らないありふれたもの」というコンテキストで書いた記事でしたが、別ページにしてあったため、ほとんど読まれることがありませんでした。
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さて、2019年ももう暮れてゆきますが、「取るに足らないことが幸福感を増幅してくれる」…、そんなところをめざしつつ、引き続きゆるーく星見を楽しんで参りたいと思います。
小学生の頃と比べれば、(機材の)進歩が見られます (当時は、呼吸を止めて筒先開閉するのがワザでした) |
また、この振り返りを通じて不人気であまり読まれなかった記事などにもスポットライトを当ててみたいと思います。記事の最後には個人的にスポットライトを当てたいランキングを添えました。最も読まれなかった記事は、天文ネタとは無関係の隠しページ的扱いになっていたことも手伝って、公開から半年で私自身のアクセスも含めて僅か10回アクセスがあったのみというレアページとなっておりました。
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さて、そういえばこの12月には、かつて私を星見の深みに誘ってくれた「ミザール」の聖地(?)への訪問も叶い、レアアイテム「パーツカタログ」を入手出来たことや、かつて私に誠報社のセールでクーデシステムを売って下さったその方にお目にかかってご挨拶できたのはこの年末の慶事でした。
当時のミザール製品には今でもお世話になっております。 ユーザーの裾野の拡大は今なお業界にとって大切だと思っています。 |
■ 平成31年~令和元年の振り返り
● 懺悔
懺悔の前に、ご意見や間違いのご指摘をくださったりした方々には本当に感謝です。
反省点を上げればキリがないのですが、最大の懺悔はAZ-GTiの剛性向上に関連したスペーサーの寸法誤記でした。記事はあくまでも私の体験記とはいえ、これを参考にした方がおられましたら、大変申し訳ないことでした。ちなみに、私のAZ-GTiにも誤ったサイズが嵌めこまれており、誤りは私自身がポチる段階で起きていたようです (orz)。また、赤道儀化したAZ-GTiではクランプ力のバランスが難しいという点も、課題として顕在化しました(緩すぎになった方と、未だ渋さが残る方とがおられるようです)。
次点は「蚊の対策」で、こちらは市販品「かとりん」の構造がまだまだボウフラの挙動を読み切っていないということもあり、効果が限定的でした。改良方法は見えているのですが、無精ゆえに手が付けられていません。メダカを飼うことも検討しています(冬場にほぼ全面凍結してしまうのが課題ですが)。夜中の蚊との戦闘は続きます。
第三番目は、謎の中華PLOSSLです。こちらは運よくアタリ品が来れば大変よく見えるアイピースに違いないのですが、不良品が来る確率が五分五分という事態でした。
また、高倍率アイピースは、好奇心が祟って RADIAN 4mm、TOE3.3mm、XO5mm なども入手してしまいましたが、まともにテストが出来ておりません。来年の火星でじっくり比べてみたいところです。
△残課題
写真撮影については、ほぼ全てが残課題となりました(苦笑 ^_^;;)。
結局、1年を通じて遠征たったの1回、しかも夜露で惨敗という出不精ぶりが祟っております。個人的な事情で土曜夜しか撮影のチャンスがないのと、夏場の天候不順のせい、、などと言い訳しつつ、エコノミー機材を操りながらゆるーい亀の歩みで楽しんでみたいと思います。
亀の歩みながら、匍匐前進はしてるつもりです クーデシステムでガイドした中学生の頃よりは楽になりました(機材のおかげ) |
SR4mmとデジイチで撮影した木星 眼視ではもっと断然良く見えてました。 酷い色収差とやらは一体いずこに? |
また、文明の利器、自動導入を操っての様々な星雲星団を次々に眺めるのも楽しいものでした。浦島太郎な私自身は手動導入のお手軽さが大好きなのですが、市街地での自動導入も赤道儀のアライメントさえ楽にできればこちらもお気楽なのでありました。
続いて、「夜露の惨敗からの学び」もまた個人的には収穫でした。夜露は三段構えで対策しましたが、結局「一ノ段の銀巻き鏡筒」で夜露対策がほとんど完結したというのは、私にとっても驚きでした。更に、鏡筒の放射冷却は100Wの桁に達するという計算結果も驚愕でしたが、現象をみれば納得です。銀巻き鏡筒によって筒内気流が落ち着き、シーズンを通じてかつてなく惑星が良く見えたのは私にとって感動的でした。
銀巻き鏡筒とSR4mmによる土星 写真はもう少し上達しなきゃ… |
番外ですが、中華でも国内販売店でも不良品を引き当てるケースはけっこうあるというのもいい経験にはなりました。
そして、本来はなにより先に書くべきところでしたが、ブログやTwitterなどを通じて貴重なご意見やご指摘をいただいたり、様々な方の活動を目にする機会があったことは本当に大きな収穫でありました。
この現代において、ガリレオやハーシェルやメシエや国友一貫斎にも勝てる部分は、ガラスの材質や鏡の精度やセンサーの感度だとか以上に、こうした交流が広く素早く行えるようになったことではないか、との思いを新たにしたところです。
■ 2019年不人気記事3選
最後に、今年の「不人気記事」の中から、私の独断と偏見で以下の3つの記事にスポットライトを当ててみたいと思います。(必ずしもページビューが少ないという基準だけでは選定していません)
スポットライトを当てたい不人気記事 第3位~1位:
第3位:「星雲星団の戦闘力」 (282PV)
等級だけで星雲を語るのはちょっと違いますよネ、という試算でありました。9等級のM57が割とクッキリ見えるのに、6等級のM33が意外と見えない、というのが納得できました。
第2位:「ガリレオ式単眼鏡と赤道儀」(164PV)
次世代のファインダーの姿はコレだな、などと思っています。レッドドットサイトを「星座望遠鏡(2倍)」で覗くとあら不思議、超広視界暗視野照明付き正立ファインダーの一丁上がり、でありました。コレの完成形は妄想中ですが、試作時期は未定です。
第1位:「〇〇〇〇(天文無関係ゴメンナサイ)」(10PV)
騙されてクリックしてしまった方には本当に申し訳ないです。天文は関係ありません。
「このリンク先記事と同じくらいに、当ブログに書いているどの記事も取るに足らないありふれたもの」というコンテキストで書いた記事でしたが、別ページにしてあったため、ほとんど読まれることがありませんでした。
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さて、2019年ももう暮れてゆきますが、「取るに足らないことが幸福感を増幅してくれる」…、そんなところをめざしつつ、引き続きゆるーく星見を楽しんで参りたいと思います。
コメント
「謎の中華PLOSSL」に関しましては、わたくしも責任の一端を感じておりますが、こういうヒヤヒヤもののリスクをかわして良い結果が得られたときの充実感はチャレンジした人だけの特権ですので、2020年も踏襲していただくと嬉しいです!
こちらのブログでは、遠回りしたり、余計なウンチクを語りながら楽しむことを旨としております ^_^
PLOSSLの件は、ちょっと想像を超えた中華品の状況でしたね。あれはショップ側の問題ではありました。
ですが、SERIES500には俄然興味が湧いています^ ^;;
こうしたチャレンジをしながら情報交換をしていける今の世の中には感謝です。
結果ではなく、途中の失敗談を武勇伝のごとく語る「外道」を目指して、ゆるーくやってみたいと思います。
「ミザール」の聖地って豊島区長崎にあるあそこでしょうか?あそこなら一昨年に私も行ったことがあります。対応してもらったのは、確か誠報社のバーゲンでミザールのショップに居たおじさんだったと思います。いろいろなキャップ類が安かったので大人買いして帰りました。
短い間でしたが面白い話も聞けました。
20代の頃、品川区の小山あたり?を散歩してたら、日野金属産業株式会社の工場を発見したことがあります。当時でさえ古びた建物でしたが、感激した覚えあります。あれから40年って感じですね。
こちらのブログ、そうはいっても「ゆるーい」です ^_^;
ひとまずは気楽に楽しむことを目的としております。
「ミザール」は、その豊島区にある事務所兼検査場(?)です。
そのとおりで、誠報社のミザールのブースにいた方が対応してくれました。
面白いお話もいただけました。
あのハレー彗星ブームの頃からの業界の動きをみると、もうすこしするとそのハレー彗星も遠日点というわけで、業界も一回りする時期なのかなあ、と思ったのでありました。